暑い名古屋といえば、ウナギ…と言いたいところだが、大島親方(元関脇旭天鵬)のイチオシは韓国料理だ。
- 大島親方
愛知・海部郡にある「華木綿(はなもめん)」は、家庭料理を扱うアットホームなお店。外国料理が大好きな親方は、部屋の合併で大島部屋から友綱部屋に転籍した12年からの常連。今回の名古屋場所期間中には、なんと8回も訪れたという。「いつも量だけ言って、メニューはお任せ。何を食べてもおいしい」と、満面の笑みで教えてくれた。
- 「てんぷら」…まずはししとうのてんぷら、干しイカの和え物からスタート
店主の固本貴子さん(53)は、大衆料理店で兄の手伝いをした後、00年に独立。気さくで人間味あふれる人柄もあって、特に週末は予約でいっぱいになることも少なくない。「定番もあるけど、季節によっては、その日にしかないメニューもあります」という隠れた人気店の秘密をのぞくべく、さっそく注文した。親方に従ってお任せメニューをお願いすると、シシトウのてんぷら、生センマイ(800円)、親方が好きなポテトチーズ(1000円)やネギ塩ホルモン(850円)などが次々と出てくる。食卓に出てきそうな、どこか安心できる母の味に箸が止まらない。
- マグロのユッケ
- 大島親方が好きなメニュー。手前からネギじゃこサラダ、生センマイ、ポテトチーズ
- ねぎ塩ホルモンはプリップリの食感
ではそろそろ、王道の韓国料理へ。中でもオススメは「サムギョプサル」(小2200円~)だ。なんでも「名古屋で一番おいしいと言ってもらうこともあります」(固本さん)というから、期待は膨らむ。三元豚を使用しており、専用の鉄板で焼き上げるとジューシーで文句なし。サンチュ、エゴマの葉などで包んでいただくのだが、ここが違った。薬味みそが手作りで、しょっぱすぎず、甘すぎずの絶妙なうまさ。韓国料理に目がない記者も、思わず拍手してしまった。
- 名古屋で一番との呼び声もあるサムギョプサル。中央ではにんにくを揚げて香ばしく
- みそベースのチゲ鍋。夏場でもペロリといただきました
鍋類(1人前1200円~)はチゲ、部隊、モツなど種類によってしょうゆベース、みそベースを使い分け、冬はもちろん夏場もいける。韓国には「以熱治熱(熱をもって熱を治める)」という言葉もあり、暑いときこそ熱いものを食べて力をつけるのもアリだ。シメには「年に1、2回しか作らないんだけど、親方が来るからと思って」というソルロンタン。牛すね肉などを2日間も煮込んだスープは絶品だった。「親方が好きなものは、たくさん来てくれるから覚えちゃった」(固本さん)。味はもちろん、居心地の良さも愛される秘訣(ひけつ)。親方は現役引退した昨年も、この店で心を癒やしていたそうで「一番は、ママの心。こんな店はなかなかない。だから通っちゃうんだよなあ」と明かした。
- 海鮮チヂミ
- 絶品ソルロンタン。うま味が詰まってます
- 豚足
もう一つ、この店とっておきの〝オススメ〟がある。固本さんは「うちは『日替わり看板娘』。かわいい子ばっかりいるよ。でも土日は人手が薄いので、アルバイト募集中です」と言う。この日、店内で笑顔を絶やさず働いていたのは大学生のシズカさん(20)。もしかすると今ごろ、もう新人さんが働いているかも…。毎日でも通いたくなる、魅力いっぱいのお店でした。【桑原亮】
- この日の看板娘のシズカさん。はじける笑顔に癒やされました
- 外観
◆華木綿
住所:愛知県海部郡大治町東条砂島10 ホワイトスクエア1階
電話:052・446・2380
- ママは顔出しNGとのことで、店内に張ってあるポスター。そっくりです!