アメリカのオーガニック・ナチュラル系食品の大手スーパーとして知られるホールフーズ・マーケットが、毎年恒例となっている2025年の食のトレンド予想を発表しました。自然派食品界をリードするホールフーズは、毎年秋に翌年の食品トレンドを予想しており、健康意識の高い顧客だけでなく、業界にとっても今後のトレンドを占う上で重要視されています。

消費者の嗜好の高まりを反映するだけでなく、食品の世界的可能性の限界を押し広げることに焦点を当てたランキングは、バイヤーや料理専門家を含む50人のチームが集まって毎年予想しています。

2025年にどんなトレンドが生まれるのか、またどんな食品が注目されるのか、トップ10を2回に分けて紹介します。1回目はスナック菓子やドリンクのトレンド予想です。

■国際色豊かなスナック菓子

日本のおかきなど昨今アジア系スナック菓子が注目されているアメリカで、2025年は世界中のさまざまな目新しいスナック菓子が流行ると予想。タイの伝統的なマンゴーともち米を使ったデザートのスナック菓子やメキシコのスパイシーな伝統菓子チャモイキャンディ、チリクランチオイルを使った枝豆とナッツのミックスのような新しい組み合わせの国際色豊かなスナック菓子に注目しています。

国際色豊かなスナック菓子のブーム到来を予想(写真はホールフーズのHPより)
国際色豊かなスナック菓子のブーム到来を予想(写真はホールフーズのHPより)

■水分補給トレンド

コーラなど従来のソーダに代わるより健康的な代替ソーダやフレーバー付きスパークリングウォーターが昨今のトレンドであるアメリカで、その流れはさらに進化していくと予想。新しい形での電解質の摂取や水分補給が流行るとみており、スパークリングココナッツウォーターやクロロフィルウォーター、プロテインウォーター、サボテンウォーターなどに注目しています。

より進化した水分補給に注目しており、ユニークなフレーバーのウォーターが続々登場しています(写真はホールフーズのHPより)
より進化した水分補給に注目しており、ユニークなフレーバーのウォーターが続々登場しています(写真はホールフーズのHPより)

■紅茶の時代

水だしコーヒーや高品質の浅煎りコーヒー豆で淹れたサードウェーブコーヒーのブームに沸いたアメリカで、今度は紅茶がトレンドになると予想。チャイやアールグレー、カナダ生まれのロンドン・フォグ(アールグレーティーにバニラシロップ、ミルクを合わせたもの)などの紅茶フレーバーのデザートやグラノーラが人気となり、植物由来のミルクティーやスパークリングティーなど新しいタイプの商品の波が押し寄せると見ています。

紅茶フレーバーのデザートや新しいタイプの紅茶飲料が流行ると予想(写真はホールフーズのHPより)
紅茶フレーバーのデザートや新しいタイプの紅茶飲料が流行ると予想(写真はホールフーズのHPより)

■より持続可能な一杯

アルコール業界でも、環境負荷を減らす取り組みが注目されています。ナチュラル系ワインやオーガニックワインは、すでに目新しものではなくなっていますが、今後はさらに進化して再生農法で栽培された原料や環境への影響が少ないパッケージの酒類がトレンドになると予想。干ばつに強いイネ科の植物フォニオや多年生穀物カーンザを使って製造するビールやウィスキーが今後増えていくと見ています。また、ホールフーズは2026年までにボトルの重量を25%削減することを目標に掲げています。

環境への負荷が少ないワインやビールなどが注目されています(写真はホールフーズのHPより)
環境への負荷が少ないワインやビールなどが注目されています(写真はホールフーズのHPより)

■カリカリ食感 

クリスピーな穀物やグラノーラ、発芽・発酵ナッツ、ローストしたひよこ豆やマッシュルームチップスなどカリカリ食感の食品がトレンドになると予想。ドライフルーツキャンディやピスタチオをトッピングしたデザートなどスナックだけでなく、日常の食事にもカリカリ食感を取り入れることが流行るとみており、カリカリ食感を売りにした調味料やクランチサラダなどにも注目しています。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)

カリカリ食感のサラダやスナック菓子などが流行ると予想(写真はホールフーズのHPより)
カリカリ食感のサラダやスナック菓子などが流行ると予想(写真はホールフーズのHPより)