<卓球選手 石川佳純(21)>
昨年の9月。自宅にいて、母に東京が決まったよってたたき起こされました。寝ぼけながらも、うっそー、絶対に出たいって最初に思ったことを思い出します。20年は27歳。お年頃なんですけど、まだ全然OK。現役を続けている限り、結婚はしないと決めているので、集大成で臨みます。
自分がずっと卓球をやってきて、出られるチャンスが東京五輪にある。すごく期待されてプレッシャーもかかるかもしれませんが、そんなに期待されることなんて、本当に一生のうちにないことじゃないですか。あらためて、もっと頑張らなくちゃいけないって思っています。
04年アテネ五輪はパブリックビューイングで、08年北京五輪は現地で観戦しました。でも、五輪に対する実感はまったくなかったですね。すごーいと思っていただけで、世界が遠すぎて、夢のような感じでした。それが、10年世界選手権の時に、12年ロンドン五輪のシングルスが2人しか出られないって聞いて、いきなり実感したんです。ここで頑張らなかったら一生後悔するって。
そこからが本当につらかった。五輪って、出るまでがとてもストレスがたまる。負けたら出られないんじゃないか、少しでもポイントを失いたくないという闘いで。自分が負けてばっかりで、同僚の選手が勝ってる時が一番つらかったです。
五輪本番では、もちろん緊張したんですが、それまでのストレスの発散の舞台。もう点数のことなんて考えなくていいんだと思ったら、結構、思い切りできた部分もあります。だから、東京でも、その気持ちを忘れずに、集大成として思い切りやりたい。だから、それまでは、結婚はしませんよ。
(2014年10月01日東京本社版掲載)
【注】年齢、記録などは本紙掲載時。