<女子ボクシング 2011年世界ジュニア48キロ級金メダル 佐伯霞(18)>
大阪・梅香中1年だった09年に、12年ロンドン五輪で女子ボクシングが正式種目になりました。大阪・四貫島(しかんじま)小1年からキックボクシングをやっていたけど、ボクシングで五輪を目指そうと転向しました。中3で初めて出場した国際大会が11年の女子世界ジュニア(14~16歳)選手権(トルコ)。48キロ級で金メダルをとって、日本ボクシングコミッションの年間表彰でアマチュア部門新鋭賞に(前WBC世界ライトフライ級王者)井上尚弥選手と一緒に選ばれました。すごい選手たちと並んで、夢のようでモチベーションが上がりました。
五輪といえば、12年ロンドン五輪柔道金メダルの松本薫さんが頭に浮かびます。試合の時に顔が変わって、すごく格好いい。以前、ナショナルトレーニングセンターのお風呂で話しかけたら「何の競技をしているの」と聞かれて「頑張ってね」と言ってもらいました。金メダルをとっているのに、すごく謙虚でいい人でした。あんなふうになりたいなと思います。
幼稚園のころ、男の子とのけんかに負けたくなくて、父(哲さん)に「強くなりたい」と言いました。父も剣道や柔道、空手など格闘技が好きで、一緒にシュートボクシングのジムに通い始めました。女子ボクシングは、周りから見たら「痛いスポーツ、何でしてんの?」と言われます。でもボクシングはすごく楽しい。遊びでもいいから少しでも触れてみてほしいです。
ボクサーの中では6階級制覇のマニー・パッキャオ(フィリピン)がすごく好き。スピードがあって、前に前に出るスタイル。試合を見ていて楽しいし、あんな選手になりたい。手数を出して、打ち合いをして、終わった後、会場の人に喜ばれる。女子ボクシングをもっとメジャーにしたい。
大阪学芸高を卒業して、来春から近大に入学する予定です。大学を決めた理由は、ボクシング部に赤井英和総監督が教えてくれて、元世界王者の名城信男ヘッドコーチも指導してくれるからです。名城先生は現役時代から見ていて、格好いいと思っていました。自分の武器はスピードと手数で、戦績は17勝4敗。負けた試合はたぶん自分のパンチがポイントにつながっていないからなんだろうと思います。リオ、その先の東京を意識して、今はインパクトがあるパンチを練習しています。金メダルをとって、夢を達成したいです。
(2014年12月10日東京本社版掲載)
【注】年齢、記録などは本紙掲載時。