<日本ハンドボール協会/川上憲太専務理事>
ずばり5年後の東京五輪の目標は男女ともメダル獲得です。男子は88年ソウル、女子は76年モントリオール大会から五輪に出ていません。はったりかと思われるかもしれませんが、本気です。その布石は打っています。
まず08年から小学校の指導要領に入ることができました。授業の義務化。小学生のチームは全国で700に増え、底辺拡大に成功しています。同年からは年に10回、全国から長身選手など、優秀な中学生を選抜したジュニアアカデミーを開始。今の代表選手はみんな通過してきており、2メートル近い選手が、ジュニア層にも増えました。
来年度からは日本代表の長期海外合宿計画も始めます。男子はスペイン、ドイツ、女子はデンマーク、ハンガリーと強豪国に拠点を設置。個人で行かせたり、代表チームで転戦しながら合宿を張ることも考えています。
東京五輪に向けては外国人監督の招聘(しょうへい)も検討課題です。強豪国の指導者の力は必要。来年リオデジャネイロ五輪までの結果次第では、男女とも外国人監督になる可能性もあります。東京五輪のために、前年19年には女子の世界選手権を熊本に誘致しました。前年にムードを盛り上げ、東京五輪を迎えたいと思っています。
5年後の東京五輪は出場枠で必ず出場できます。しかし、強豪国に大差で負けてしまっては、ハンドボール競技そのものに悪影響が出てしまう。まずは男女とも来年リオデジャネイロ五輪に必ず出なければなりません。女子は来月20日から愛知県体育館、男子は11月14日からカタール・ドーハでアジア予選があります。ここで全力を尽くし、必ず男女とも出場権を取る。それが重要テーマになります。
(2015年9月9日東京本社版掲載)
【注】年齢、記録などは本紙掲載時。