<プロサーファー兼モデル 吉田英司(34)>

 3年後、楽しみです。今の若い選手は素晴らしいんですよ。大原洋人は世界最高峰のCT(チャンピオンシップツアー)入りが近いし、その下の世代にも、いい選手が大勢います。僕らの時は年3回ぐらいだったジュニアの大会も多くなった。うらやましいです。

 僕らの世代は世界も遠くて、日本人にCTは無理だと思われていました。大野マー(修聖)のように、それでも挑戦した人はいたけれど。今は世界も近い。海外は強くて簡単には勝てないけれど、地元ですから。東京五輪はメダルのチャンスもあると思うんです。

 心配なのは、見に来た人に「何がおもしろいんだろう」って思われること。目の前で跳んだり跳ねたりすれば、すごさは分かります。でも、沖でやっても伝わるか。東京五輪に向けて、やらない人にも知ってもらうことが大切ですね。

 大会は日本中でたくさん行われています。でも、見に来るのはスポンサーなどの関係者か選手の親族ぐらい。この前のQT6000(千葉一宮オープン)でも「サーフィンやってるから、見にいこう」と言って来る一般の人は少ないですよね。

 来週10日から17日まで、湘南オープンという大会があるんです。僕のいるショップ(THE USA SURF)の目の前にある鵠沼海岸でやるんですが、楽しいですよ。トータルな会場の雰囲気、サーフィンだけでなくスケートボードやライブまで、サーフィンの魅力が詰まっています。

 ショートボードだけでなく、ロングボードやボディーボードもある。僕もロングボードに出場するんです。カリフォルニアで盛り上がるUSオープンの日本版。マネですね(笑い)。ビーチがパンパンになるくらい人が集まって、選手も気持ちいいし、気合も入る。

 サーフィンだと知らなくて見に来る人もいますよ。海水浴の人が見に来たりとか。「何やってるの?」「それって、すごいの?」でいいんです。「あっ、乗った、立った」で。他のスポーツと違って入場料もかからない。今はやりのフェスじゃないけれど、そんなノリで見に来てくれれば。東京五輪に向けて、そういうところからサーフィンを知ってもらえればいいなと思います。

(2017年7月5日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。