陸上を始めたのが、小3の時でシドニー五輪の2000年。男子100メートルモーリス・グリーン選手(米国)が勝って、当時はオリンピックについて、詳しく分からなかったですけど、純粋に速いなと印象に残りました。小学生時の夏休みの宿題で、グリーンのタイム、オリンピックの成績、身長、体重とかを発表しました。しっかり五輪を見るようになったのは04年のアテネ五輪ですかね。周りにも「オリンピックに出たいな」と言っていました。
東京五輪が正式に決まった時は、大学4年生。インカレの期間中で、大会に集中していたからか、あんまり記憶にないんですよね。でも今思うと、現役中にオリンピックがくるなんて、こんなありがたいことない。チャレンジできるだけでなく、年齢的に一番いい20代で迎えられる。生で見に行けるだけでもありがたいのに。気持ちが引き締まりますね。
今は、常に東京五輪で活躍することをイメージして生活してます。その中で、大事にしているのは考えたことを言葉に表す習慣。家では1日の出来事や練習を独り言でしゃべっています。またミズノの陸上教室などで、子どもたちに分かりやすく言葉にしながら教えると、僕も勉強になるんです。そして逆に子どもたちからも純粋に楽しむ姿に刺激を受けています。
東京五輪の後、新国立競技場で陸上ができなくなるのは選手として少し残念です。僕が小6の全国大会で初めて旧国立競技場を走った時、世界選手権(91年東京大会)でカール・ルイス選手、リロイ・バレル選手(ともに米国)が走った国立に来たんだと気分が高まったのは、今でも覚えています。しょうがないですが、子どもにも、あのような気持ちを味わって欲しかったとも思います。
それでも東京五輪が終わっても、熱が続くようにと思ってます。戦っている姿を見て、陸上をやりたいと思ってもらえる。また未来のアスリートへ少しでも励みにできたり、若い世代の刺激になったりする活躍をしたいです。
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