日本代表としては(08年)北京五輪と、3度のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場しました。国際試合は「日本代表」という気持ちが強くなります。いつも以上に入り込んでしまうところがありましたし、初めのうちは変に意識しすぎたりとか、打てないとメンタルが左右されました。

ただ、五輪とWBCはちょっと違いました。WBCは周りにスタッフさんがいて、道具とかも持ってくれたりします。でも、五輪は荷物やボール運びとかを、選手でやるんです。ちょっとアマチュアの名残があるというか、原点に戻った感じがしました。大学生とか、高校生の時の自分に。若い人もベテランの人も、みんなでチームのことをやってうまく回していました。

今のところ東京五輪に、米国代表にトップのメジャーリーガーは来ないかもしれないみたいですが、マイナー中心でも手ごわい相手になると思います。有望株と言われる選手は、今すぐメジャーで活躍できそうでもマイナーに残しているんです。そこで教育させているところもあるので。自分の時はストラスバーグ(昨季まで4年連続2ケタ勝利を挙げたナショナルズのスティーブン・ストラスバーグ投手)が大学生で出てましたから。その後卒業してドラフト1位で、これだけの選手になっている。あの時のメンバーを見ましたけど結構(メジャーで)出てますよ。今なら「ああ、この選手、あの時出てたんだ」って。そういう見方も面白いかもしれないですね。

前回の東京五輪は50年ぐらい前でしょ? (1964年開催)。日本での五輪は、自分が生きているうちは、たぶん最後かもしれない。そこに縁があるというのはうれしいですね。しかも、自分が生活をしている東京ですし。五輪を通じて、野球という競技を1人でも多くの人に知ってほしいと思っています。自分は(07年まで6年間)メジャー(リーグ)でプレーしました。歴代の日本人メジャーリーガーの方々もそうだと思いますが、自分のプレーで「日本の野球はこういうものなんだ」と知ってほしいのはありました。東京五輪でも、日本の野球が勝つところを見たいですね。

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