横浜スタジアムは現在、増改築工事を行っております。日本を代表する競技が野球。その野球・ソフトボール競技のメイン会場に選ばれ、多くのお客様を迎えるための増改築は、横浜という町に溶け込むものであり、歴史を感じられるものにしたいと考えてます。

スタジアムは設立から今年で満40年を迎えます。159年前に横浜が開港して、明治維新150周年。横浜の真ん中にできた彼我(ひが)公園、それが横浜公園となって野球場ができた。34年にはベーブ・ルースや、ルー・ゲーリッグがやってきた。そうやって他の文化とのぶつかり合いの中で、日本が米国から野球を取り入れ、日本人の文化として育ててきたことを象徴する球場なんです。明治以来、伝統をずっと背負ってきたことを、世界に発信していきたい。

改修にはいろいろな制約とアイデアがありました。現在、DeNAが運営させていただいておりますが、スタジアムは横浜市のものであり、市民のもの。関内という街並みにマッチしないといけない。横浜市都市美対策審議会のご意見を聞きながら、細部にまでこだわって、40年たった原型を生かし、シャープで緑を大事にしたデザインになってます。横浜のコロッセオ(ローマ)であり、凱旋(がいせん)門(パリ)にしていく。

そのために、20年東京五輪は出発点と捉えています。365日、町とつながった日本を代表する屋外球場として、世界に認知され横浜、神奈川、日本全国の人にもあらためて見直してもらう重要な年。5年後の25年は、国がスポーツを成長産業として拡大する目標を掲げている年です。横浜ではスポーツ産業がこんな未来になるんだと描き、新スタジアムを生かした都市空間が成熟するのが25年。大桟橋から日本大通り、横浜公園、関内に向けた軸の中で、うねりを起こしていく。人、もの、情報、お金がもっと流通して、次世代にバトンタッチできるようにする。

そしてベイスターズを再認識してもらう。スポーツである以上、勝利、他者に対する優越はどこかで得たい。願わくば五輪の前後にベイスターズの力を発揮し、侍ジャパンに選手が選ばれる。具体的には筒香が日本の4番になってくれたらいいですね。ドッシリとしていて迫力があり、すべてを背負えるあんな4番らしい4番はいない。日本の誇りだけでなく横浜の誇りとしても、最大限の成果を出してほしい。

五輪を契機に新しい価値を創造する。その拠点が横浜で、中心が横浜スタジアム。五輪の年がそのスタートなんです。

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