【日本ハム生田目翼】公務員宣言から9年…29歳の開眼秘話8227字/連載〈63〉
日本ハム生田目翼投手(29)が、プロ6年目の覚醒に至る過程を語りました。毎年クビを覚悟しながら、弱かったメンタル面を克服してブルペンに欠かせない存在となった社会人出身の元〝即戦力右腕〟。ついにポテンシャルが開花した〝29歳のホープ〟の心境に迫りました。
プロ野球
「ホープに聞く」連載一覧
日本ハム清宮幸太郎選手から始まった連載「ホープに聞く」。2026年のWBC候補を念頭に、これからの飛躍が期待される野球人に、一問一答形式のインタビューを行っています。今後も公開していく予定。どうぞよろしくお願いいたします。
◆生田目翼(なばため・つばさ)1995年(平7)2月19日、茨城出身。水戸工では1年秋から遊撃手でレギュラー。2年秋からエース投手となり、3年夏に県大会8強。流通経大では東京新大学リーグで3年春に最多勝、最優秀投手、MVP。日本通運では18年に都市対抗準優勝に貢献。18年ドラフト3位で日本ハム入団。21年10月19日西武戦(メットライフドーム)でプロ初勝利。6年目の今季はプロ初ホールド、初セーブもマーク。今季推定年俸900万円。176センチ、88キロ。右投げ右打ち。
――今回は「ホープに聞く」というインタビュー企画
はい…フォークに聞く?
――「ホープ」です
ホープってなんですか?
――これからに期待の選手って意味で
(来年2月で)もう30なのに、期待なんかないでしょ(笑い)。
――6年目の今季、ここまでを振り返って
初めて開幕1軍になって、それからずっと1軍にいさせてもらっているんですけど、いろんな場面で投げさせてもらっているし、緊迫した場面もいただいていますし。なんとか結果を出そうと必死に投げている感じです。
――春先には、どんな場面でも1軍で投げ続けたいと話していた
そうですね。もう全然、勝ちでも負けでもどんな場面でも、投げさせてもらえる場面があればって今でも思っています。
――キャリアハイの数字を残している今季は、どんな感じで試合前の準備をしているか
最近はやっぱ、ちょっとずつ慣れてきたっていうのもあって、リラックスした感じで(投げる)場面を待って準備してっていうところは毎回あるんで。登板する時にちょっと気持ちを入れてって感じで今はできています。
――最近、ようやく慣れてきた
そうですね。やっと、ここ何試合かでちょっと慣れてきたかなって感じです。
――前半戦は常に緊張感が大きかった
そうっすね。めちゃめちゃ緊張しますし、やっぱ、年齢も年齢ですし、結果を残さないといけないっていうプレッシャーあったんですけど、ここ最近はちょっと気持ちの余裕も出てきて。もちろん緊張はして投げたいので、自分で緊張するようにはしています。
――今季、手応えや自信をつかんだ試合はあったか
それこそ前半の最後の(7月21日)ロッテ戦。(先発した伊藤)大海の後。まさか大海が先発で(5回途中から2番手で登板)、そんなに早く投げると思っていなかったですし。バタバタって行って。「行ける?」みたいな感じになって。
その時はあんまり、準備も100%かって言われたら、100%で準備できていなかったんですけど。だいたい肩はできていて。80、70%ぐらいで。そのまま行った時に1球で終われたし、あそこは結構自信にもなりましたね。そこで、ちょっとオールスター休みで空いちゃったのはあれでしたけど、あの時は結構ちょっと自信になりましたね。
――3年ぶりの白星となった8月7日楽天戦は、山崎の危険球退場を受けて7回1死満塁から登板して、ピンチを断った。前半戦最終戦の経験が生きた
そうですね。あれも全然大きかったですし、そもそもあの時はちょっと準備はしていて、ピンチになったら行こうかって話で。まさか危険球退場っていう想定はしていなかったんですけど、ちょっと開き直っていけたかなとは思います。
――チームとしては緊急事態で大ピンチ。どんな気持ちでマウンドへ向かった
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