【楽天森井誠之社長】転身1年で観客激増「ここは作り上げている素晴らしい球場」/前

楽天野球団・森井誠之社長(50)のインタビュー前編です。バスケットボールBリーグの仙台89ERS会長から昨年8月に転身し、就任2年目を迎えました。昨季の平均入場者数は12球団唯一の1万人台となる1万8868人と苦戦。一方、今季は前半戦終了時点で前年比24%増の平均2万2625人と好調です。「ファンを大事に」と駆け抜けてきた1年間の振り返り、チームの戦いぶりなどを聞きました。

プロ野球

◆森井誠之(もりい・まさゆき)1974年(昭49)7月26日生まれ、川崎市出身。明大卒業後の99年4月にオリコムに入社。07年1月に楽天野球団に入社し、13年3月から執行役員に就任。18年2月から楽天ヴィッセル神戸に出向し、19年7月から副社長などを歴任。22年3月に楽天グループを退職。同年7月から仙台89ERSで会長を務め、23年8月から楽天野球団へ帰任し社長に就任。

22年、仙台89ERSの会長就任時

22年、仙台89ERSの会長就任時

「野球側で俺も盛り上げるから、バスケ側はみんなで」

――就任してから1年を迎えました

去年の8月に社長として来た時から、コロナで離れてしまったお客さまに「とにかく球場に戻ってきていただくのが一番」ということをみんなで再認識しました。

観客動員が前年比で24%増、全球団の中で一番の伸び幅を示せたということは1つの成果として、私がというよりは、球団として「ファンを大事にしましょう」と言ったことが形になったのはうれしかったですね。

――昨年7月までBリーグの仙台89ERS会長を務めていました。社長就任にあたっての迷いは

当然、迷いはあって、ナイナーズは2026年からスタートするBプレミアを目指していたこともありましたし。

チームもスタッフも含めてファミリーとしてやってきた中で、「これから次のステップに行くよ」というタイミングではあったので、名残惜しい気持ちはありましたね。

――同じ仙台を拠点とするプロチームを盛り上げたいという思いは変わらない

仙台、東北というところでのスポーツって見た時に横に移動すると言ったら変ですけど、「野球側で俺も盛り上げるから、バスケ側はみんなで盛り上げてほしい」って。

みんなも「頑張ってほしい」と言ってくれたので、本当に気持ちよく送り出してもらいましたし、大転身という感じではなかったです。

――仙台89ERSの志村雄彦社長とも定期的に会っていますか

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