【西武上田大河】金言を実感「野球というスポーツはハプニングだらけ」/連載〈67〉

西武ドラフト2位ルーキーの上田大河投手(22)が、存在感を増しています。抹消の要因となった腰痛が癒え8月に再登録されると、リリーバーの一角として奮闘。15試合に登板し防御率は2・20(17日時点)と、安定した成績を残しています。同僚のアブレイユに教わってチェンジアップを習得するなど高い向上心を持つ23歳。今の課題と手応えを聞きました。

プロ野球

◆上田大河(うえだ・たいが)2001年(平13)11月15日、三重県生まれ。大商大高―大商大を経て23年ドラフト2位で西武入団。24年6月5日のヤクルトとの交流戦(神宮)でプロ初出場。182センチ、86キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1250万円。

直球の質が上がらす悩んでいたという

直球の質が上がらす悩んでいたという

デビュー戦被弾「これが1軍」

――1年目の今シーズンも終盤です。手応えは

ピンチを作っても、しっかりゼロで抑えられる試合が続いているのはよかったと思います。

――6月5日のデビュー戦は神宮でのヤクルト戦でした。武岡に一発を浴びた

甘いボールだったんですけど、それを1発で仕留められました。これが1軍なんだなと実感しました。

――アマ時代にも神宮は経験しているが緊張感に違いは

あんまり緊張はなかったんです。ただ、雰囲気が全然違いましたね。お客さんの量を見たり、応援歌を聞いたり。やっぱりアウェー感がすごかった。

――腰痛で2軍に落ち、再び8月に再昇格しました。この期間はどういったところを磨きましたか

1軍で3試合投げた中での課題が浮かび、変化球の精度と真っすぐ質を上げようとしてきました。ただ、なかなかストレートの質が上がらなくて、ちょっと伸び悩んでたんです。

8月に1軍に上がるってなったときも、まさかこの時期と思わなくて本当にびっくりしたんです。上がるからには最後まで落ちずに戦えるように上げていくしかないと思っていたので、抑えることだけを意識してやってます。

質とか精度とかもまだまだ自分は納得いってなくて物足りないと思ってますが、自分ができることを工夫して、ピッチャーとしての全体の総合力で勝負しようとしてます。

座右の銘「臨機応変」は大商大時代から

座右の銘「臨機応変」は大商大時代から

座右の銘は「臨機応変」

――走者を出しても無失点で帰ってくる。結果にこだわるというところですね

そうですね。1日、2日で真っすぐが速くなるとかは無理なんで、日々の積み重ねの結果がボールの質に繫がる。毎日過ごしていく中で、状態を少しずつ上げられればという考え方になりました。

――柔軟な考えは座右の銘の「臨機応変」にもリンクしますが、そのルーツは

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