【祝ソフトバンクV】1軍デビュー近し ドラ1前田悠伍の忘れられない思い出

ソフトバンクのドラフト1位、前田悠伍投手(19)がプロ1年目から着実に成長の跡を残しています。ウエスタン・リーグで11試合に登板し、4勝1敗1セーブ、防御率2・04の成績(9月19日時点)を残し、1軍デビューの日も間近に。期待のルーキーが大阪桐蔭時代に慣れ親しんだ甲子園のマウンドで、忘れられない思い出を打ち明けました。

プロ野球

◆前田悠伍(まえだ・ゆうご)2005年(平17)8月4日生まれ、滋賀県長浜市出身。小学6年時にオリックスジュニア選出。高月中時代は湖北ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。甲子園には3度出場し2年春優勝、同夏8強、3年春4強。昨年のU18W杯では日本の初優勝に貢献。23年ドラフト1位でソフトバンク入団。推定年俸1000万円。背番号41。179センチ、76キロ。左投げ左打ち。

「俺がチームを負けさした」

第104回全国高等学校野球選手権大会で下関国際に敗れ涙する大阪桐蔭の前田悠伍(右)の肩を抱く松尾汐恩=2022年8月18日

第104回全国高等学校野球選手権大会で下関国際に敗れ涙する大阪桐蔭の前田悠伍(右)の肩を抱く松尾汐恩=2022年8月18日

前田悠は今でも忘れられないことがある。

甲子園で味わった、あの悲劇的な敗北だった。

「今までにも経験したことがない感じ。一番(記憶に)残っていますね」

当時2年生だった22年夏の甲子園大会。準々決勝は下関国際(山口)だった。

4―3と1点リードの9回表。

マウンド上の前田悠の表情が曇った。

「球場の応援がアルプスだけじゃなくて…。1回見渡したらみんなが手拍子をしている。これ『えぐい』なって。全員が敵なように感じた」

下関国際の最終回の攻撃に、場内が一斉に手拍子を始めた。

本文残り72% (1263文字/1761文字)