【LAタイムズ名コラムニスト】大谷翔平が秋の流感「ドジャース病」特効薬に/連載4
ドジャース大谷翔平投手(30)が、メジャー7年目で初めてポストシーズン(PS)の舞台に挑みます。移籍1年目の今季は周囲の予想をはるかに超え、前人未到の「50―50」を達成。異次元の打者となった大谷は、長年思い描いてきた大舞台で、どんな姿を見せるのか―。地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」で健筆を振るうコラムニスト、ディラン・ヘルナンデス記者(44)が、本紙特別寄稿「Hot & Spicy」で、ド軍&大谷の世界一への可能性を探りました。
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◆ディラン・ヘルナンデス(日本名=渡辺修) 1980年7月7日、米カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。父はエルサルバドル、母は新潟県見附市出身の日本人。UCLA(カリフォルニア大ロサンゼルス校)では歴史学を専攻。「ボストン・グローブ紙」などでのインターンを経て、卒業後の02年「サンノゼ・マーキュリー紙」に入社。07年から「LAタイムズ」のドジャース担当を務め、16年からコラムニスト。家族は、妻と1女1男。
ドジャースタジアムのクラブハウス内で、シャンパンの泡にまみれる大谷翔平の姿は、開幕前の時点で予想できていた。だが、「40―40」どころか「50―50」までもクリアし、本塁打&打点のタイトルを獲得するシーズンになるとは、想像にも及ばなかった。
確かに、春季キャンプ中、日本のテレビ局からインタビューを受けた際、大谷の今季の成績予想で「50―50を達成できるポテンシャル(潜在能力)はあると思う」とコメントした。ただ、それはほとんど「リップサービス」で、真剣にイメージしていたわけではない。
結果的に、その予想(?)は当たることになるのだが、正直なところ、自慢できるような話ではない。
周囲の常識や想像をことごとく超えていく男―。「40―40」をサヨナラ満塁本塁打の「離れ業」で決めた大谷は、果たして初のポストシーズンでどんな活躍を見せるのだろうか。
開幕以来、大谷がドジャースの大黒柱となった経緯をいまさら繰り返す必要もないだろう。ただ、それだけでなく、球場の空気、試合の流れを変えられる「ゲーム・チェンジャー」としての資質が、終盤戦になって随所で発揮されるようになった。
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