【阪神百崎蒼生】「飾ってます」ライバル山田脩也とのプレゼント交換/連載74
阪神のネクストブレーク候補は、百崎蒼生内野手(19)です。東海大熊本星翔で高校通算39本塁打を放ち、23年のドラフト4位で入団した右の大砲候補。走攻守で高い能力を持ち、今季のウエスタン・リーグでは6月8日の中日戦(鳴尾浜)で球団新人1号となる左本塁打を放ちました。同期同学年で、同じ遊撃手の山田脩也内野手(19=仙台育英)と切磋琢磨(せっさたくま)しながら1軍デビューを目指して奮闘しています。プロ1年目を振り返り、今後の野望を語りました。
プロ野球
「ホープに聞く」連載一覧
日本ハム清宮幸太郎選手から始まった連載「ホープに聞く」。2026年のWBC候補を念頭に、これからの飛躍が期待される野球人に、一問一答形式のインタビューを行っています。今後も公開していく予定。どうぞよろしくお願いいたします。
◆百崎蒼生(ももさき・あおい)2005年(平17)9月11日生まれ、熊本市出身。隈府(わいふ)小3年から野球を始め、菊池南中では熊本泗水(しすい)ボーイズに所属。東海大相模(神奈川)では1年春の県大会からベンチ入りし、1年秋に3番遊撃手でレギュラーに。2年春に東海大熊本星翔に転入。昨夏甲子園出場も1回戦敗退。高校通算39本塁打。目標の選手は阪神原口。座右の銘は「頑張る時は、いつも今」。178センチ、74キロ。右投げ右打ち。
「おまえのスイングには夢がある」
何度も皮がむけ、固くなった手のひらがバットを振り込んだ証しだ。
プロ1年目は2軍の鳴尾浜球場で汗を流した。
ノックや打撃練習、居残り特守を受け、最後にグラウンドを出るのが日課。
まずは1年目の自己評価を教えてもらった。
「30点ぐらいですかね。自分の一番自信があるバッティングで打てなかった。守備は周りからも『うまくなった』と言われるようになったので良かった。いろんな経験ができたという意味で30点かな」
順風満帆なスタートとはならなかった。
3月上旬に右肩を痛め、約2カ月出遅れた。
その間、鳴尾浜でランニングや下半身強化のトレーニングに励み、基礎を固めた。
4月29日の2軍オリックス戦(鳴尾浜)で代走としてデビュー。
6月8日の同中日戦で球団新人1号の左本塁打を放ち、プロでの1歩を踏み出した。
だが、大きな壁にぶつかった。
ウエスタン・リーグで74試合に出場し、打率1割8分5厘、1本塁打、10打点。
長打率2割7分7厘を残したが、137打席で三振は36だった。
「長打にこだわりすぎて、大振りになっていた。もっとバットに当たったら何かが起きたかもしれない」
1年目で大きな課題が残った。
百崎にはプロの世界で絶対に曲げたくない信念がある。
本文残り75% (2662文字/3560文字)