【巨人山口寿一オーナー】スポーツくじ推進 記者時代の暴排経験生かし健全収益訴え
巨人山口寿一オーナー(67)が11月15日、スポーツくじについて言及しました。
都内で一般財団法人スポーツエコシステム推進協議会の会合に出席。開会のあいさつで、私設応援団の暴力団排除に尽力してきた経験を語った後、スポーツくじにより違法な市場を縮小させ、スポーツ界に新たな収益をもたらす必要性などを訴えました。
あいさつの全文をお届けします。
プロ野球
ご紹介をいただきました、山口でございます。
読売新聞社の社長を務めておりまして、読売ジャイアンツのオーナーを兼任しております。
元々は新聞記者であります。
先ほどごあいさつされた代表理事の稲垣先生が触れられていた、違法なスポーツ賭博との関係で、私が携わってきたプロ野球の暴力団の排除活動に関して触れてほしいと要請を受けましたので、あまり人の前で話したことのない話ではありますが、お話をしたいと思います。
先ほど元々新聞記者だと申し上げましたが、私は社会部のデスクをした後に、読売新聞社の法務部の仕事をするようになりまして、その時に先ほど触れた、プロ野球の暴力団排除、暴排の活動にかかわることになりました。
22年前のことです。
応援団は、この大量に占領した席を高値で転売していました。
当時、東京ドームの外野自由席は定価1200円でしたが、これを8000円前後で売っていました。席が足りないと、立ち見として1人6000円前後のお金を取っていました。
応援団はダフ屋と結託して、闇ツアーもやっていました。
観光バスは1台にだいたい40人のお客さんが乗れます。40人のお客さんから8000円ずつお金を取ると、バス1台の闇ツアーで32万円の売り上げになります。
阪神の応援団は、ジェット風船を売っていました。球団が認めた公式グッズではなくて、応援団が知り合いの業者に頼んで、勝手につくった非正規の風船でした。これと同様のことが、甲子園でも神宮球場でも横浜、名古屋、広島の各球場でも起きていました。
このような利権があれば、必ず暴力団が絡んできます。
厄介だったのは、応援団が球場のトラブルに介入するという習慣ができあがっていたことでした。
野球場ですので、酔っぱらったお客さん同士のけんか、もめ事。必ず何か起きるわけですが、何か起きればただちに応援団が駆けつけて、にらみを利かすというのが、当たり前になっていました。
このため、管理する側の球場職員や警備員には、応援団は必要悪という見方が染み付いてしまって、彼らがいないと自分たちが困るという、応援団に依存する心理も生まれていました。
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