【里崎智也のスペシャルリポート】プレミア12に思う野球王国ニッポンの使命/新連載

ここでしか読めない里崎智也氏の「スペシャルリポート」の第1回です。

今回は「ラグザス Presents 第3回WBSCプレミア12」。開幕カードのオーストラリア戦(バンテリン)を皮切りに、第2戦の韓国戦からは現地台湾で取材を継続している里崎氏が生で見て感じた解説を、あますところなくお伝えします。プロ野球発展を念頭に、常に舌鋒(ぜっぽう)鋭く、そして一切の遠慮無く、思うままに、ストレートに評論するのが里崎氏の最大の魅力と言えます。その切れ味で、26年の第6回WBCに向けて新しくスタートを切った侍ジャパンを語り尽くします。

プロ野球

◆里崎智也(さとざき・ともや)1976年(昭51)5月20日、生まれ。徳島・鳴門市出身。鳴門工(現鳴門渦潮)、帝京大を経て98年ドラフト2位でロッテ入団。05年の日本一に貢献。06年のWBCでは正捕手として活躍。10年には、レギュラーシーズン3位から日本一を果たし、自らが発した「史上最大の下克上」が話題となる。14年に現役引退。通算1089試合、890安打、108本塁打、458打点、打率2割5分6厘。ベストナイン、ゴールデングラブ賞、最優秀バッテリー賞をいずれも2回。現役時は175センチ、94キロ。右投げ右打ち。

■サッカーで言えば、王国ブラジルと同じ立ち位置になった

「日刊スポーツ・プレミアム」読者の皆さん、はじめまして、里崎智也です。これから、主にプロ野球を見て感じることを、この場でなるべくタイムリーに発信したいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

私、里崎の評論を初めてご覧になる方もいるかもしれません。

本来ならば、そうした方へ自己紹介も踏まえ、これまでの評論家生活を振り返る必要も感じてはいますが、今回はズバリ核心から入りたいと思います。

昨春の第5回WBCで、侍ジャパンは素晴らしい戦いぶりで3度目の世界一に輝きました。

メキシコ戦での逆転サヨナラ勝利など、一発勝負の国際大会ならではの、スリリングで、世界最高峰と言うにふさわしい攻防の末に栄冠を勝ち取りました。

まだ日本の中にはその余韻がそこかしこに残っていると感じます。加えて、メジャーでは大谷翔平が大活躍し、チームメートの山本由伸もメジャー1年目でワールドシリーズ制覇を達成しました。

今や日本は野球、広義の意味でBASEBALLでは、はっきりとトップに立ったと言えます。そして、それはサッカーで言えば、王国ブラジルと同じ立ち位置になったと私は捉えています。

サッカー王国ブラジル、そして野球王国ニッポン。

私はそういう概念で、これからの日本野球を考えていかなければと、感じてきました。

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