ドラフト候補184センチ150キロ右腕が漁師の道へ!決断の理由とは?

プロ球団も注目した最速150キロ右腕が、漁師になる決断を下しました。

紋別(北海道)の池田悠真投手(3年)。甲子園、北海道大会に出場経験はありませんが、2年秋に外野手から投手に転向し開花しました。

粗削りながら最後の夏は北見地区代表決定戦まで進み、2球団から調査書が届きました。プロ志望届を提出し、ドラフト会議を迎えましたが、指名漏れ。実家は漁師。雄武漁業協同組合に就職内定し、3月1日の卒業式翌日から、ホタテ漁師として、オホーツク海に向けて出港します。

「人に感謝をして、人に気を使える漁師になりたい」と、次の目標を掲げました。

その他野球

◆池田悠真(いけだ・はるま)2006年(平18)11月13日、北海道・雄武町生まれ。雄武小2年の時に雄武フライングタイガースで野球を始めた。雄武中までは軟式で、ポジションは捕手と投手。高校は2年夏まで外野手、同秋から投手。高3夏に、南北海道大会北見地区代表決定戦に進出。高3の5月に150キロを計測。家族は両親と弟、妹。184センチ、88キロ。

23年春に投手転向、一気にプロ注目

「明日、行くか!」。夕食時に祖父・友勝さん(72)から声がかかると、翌朝は必ず辨天丸(べんてんまる)の船上にいた。

オホーツクの海からは、季節に応じて、毛ガニ、ホッケ、カレイ、カスベ、ブリ、サケなど、多彩な魚介が揚がる。海と勇ましく対峙(たいじ)する祖父や伯父の卓也さん(41)の姿を船の甲板でながめ、幼い池田は自分の未来を思い描いた。

池田小さいころからの夢。船に乗っている漁師の姿を見て、「かっこいいな」「漁師になりたいな」と思っていました。

23年春、漁師志望の池田が、思いもしなかった世界からスポットライトを浴びた。

外野手から投手に転向すると、スピードガンで137キロをマーク。24年5月に150キロまで到達したことで、周囲が騒がしくなってきた。

練習試合、公式戦を問わず、池田が登板する球場のスタンドでは、プロのスカウトの目が光った。

本文残り74% (1606文字/2163文字)