【樋口新葉の言葉】あの時、岡島功治コーチは…「初めて聞いた」演技の裏側/現地限定
【アンジェ=松本愛香通信員】女子でグランプリ(GP)ファイナル(12月、グルノーブル)進出一番乗りを決めた樋口新葉(23=ノエビア)が、現在の心境を語りました。
2位で終えたフランス杯フリーから一夜明け、今季の好成績の裏にある自分との向き合い方、岡島功治コーチとの裏話も明かしました。
現地取材メディア限定のやりとりを「樋口新葉の言葉」として、お届けします。
フィギュア
<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第3戦フランス杯>◇11月3日◇フランス・アンジェ
シーズン中は他人を気にしない
フリーから一夜明け
―一夜明けていかがですか
昨日は全然寝られなくて、ちょっと眠いです。
―喜びがわき上がっているようなものはありますか
うれしかったんですけど、落ち着いています、すごく。気持ちが。
―お祝いのメッセージはどの程度ありましたか
この前(スケートアメリカ)よりかはなかったです。何人かの人からは「おめでとう」と言ってもらえたんですけど、なんか、すごく落ち着いています今回は。
―なぜでしょうか
この前のアメリカもですけど、たぶん、自分的にはこの前の試合はあまり納得していなかったのもあって、今回のフランスに向けて、もうちょっと上げていきたいなみたいなのもあった。うれしかったけど「ワ~ッ」とはならなかったです。今回は本当に練習のそのままを試合で出せた感じだったので、あまり練習通りにできたことがなくて、すごく自信を持って滑れたのが印象的だったので、それが落ち着きにつながっているのかなと思います。何か安心しています。
―騒ぐほどでもない感じでしょうか
そう、騒ぐほどでもないなと。練習がすごくうまくいっていて、本当に練習のままを出せた気がしたので、すごく自信にもつながったし、まだもうちょっとできるなというのもあります。
―ファイナルも決まりましたが、あまり興味を示さず…という形でしょうか
興味がないことはないですけど、今年の目標が全日本なので「そこに向けて調整が難しくなりそうだな」というイメージがすごくあります。取り乱さないように、練習のような気持ちで試合に臨めると一番いいかなと思います。
―7年前のファイナル切符獲得と今回で、重みの違いはありますか
前回は(18年平昌)オリンピックシーズンだったので、出られる試合は全部出ないといけないと思っていたし、そこで結果も残さないといけないと思っていたので、勝手にプレッシャーをかけて、すごく緊張感のある中で試合に臨んでいました。自分の練習しているそのままが出せて自信を持って滑れたというよりは「やらなきゃ」みたいな感じで試合に臨んでいた気がしていたけど、今回はあまり結果というよりも、もちろん結果も大事にしているんですけど、すごく自分の練習の内容だったり、プログラムにどうやって気持ちを乗せて滑るかとか、今自分がどういう状況で…とか、いろいろ考えながらどういう大会にしたいかをすごく考えて1試合、1試合に臨めています。そこはモチベーションの違いを感じているというか、やらなきゃいけないというよりも、自分がこういう風にしたいと思って試合に臨めているので、そこが一番、大きな違いかなと思います。
―26年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪については、どう考えていますか
本文残り74% (3682文字/4951文字)