【日本代表を追う〈3〉】全勝維持 鬼門サウジで驚きの連続
8大会連続8度目のワールドカップ(W杯)出場に向けたサッカー日本代表(FIFAランキング18位)、そのアジア最終予選を追うドキュメントの第3回。10月10日(日本時間11日)に、日本代表にとって過去3戦全敗の鬼門の地で、ジッダでサウジアラビアと対戦した。
サッカー
〈森保ジャパン Road to 26 最終予選第3戦サウジアラビア戦〉
サウジで過去3戦全て0-1完封負け
日本の酷暑を経験しているとはいえ、中東の日差しの強さは強烈だった。日中は、日向を歩くと皮膚がピリピリとした痛みを覚えるほどで、日傘がないと外を歩けない。
日没後は少し、暑さは和らぐ。日本代表の練習は、日が暮れた午後6時半から。とはいえ、温度計は気温34度、湿度59%を示していた。
試合会場は、ジッダの空港から車で十数分走ったところにあるキング・アブドゥラー・スポーツシティー。スタジアムの脇に天然芝、人工芝の練習場が複数ある。
人工芝では育成年代の男子、女子が練習していた。ジッダの「サッカーの中心地」といってもいい。日本代表は、天然芝の練習場を使用した。施設の構造上、イメージとしては、埼玉スタジアムといったところだ。
暑さを克服する対策で、伊東純也、守田英正、前田大然、旗手怜央、鎌田大地、小川航基、谷口彰悟、瀬古歩夢ら複数の選手は長袖でトレーニングに励んでいた。
日本代表はサウジアラビアの地で1度も勝てていない。06年、17年、21年と3度戦い、いずれも0-1で負けている。失点はすべて、暑さで集中が切れた後半半ばだ。
練習は非公開だったが、練習後の選手の練習着は「しぼったら汗の水たまりができそう」なほど、ぐちゃぐちゃにぬれていた。日が暮れ、体を動かさない記者は「日本の7、8月よりは涼しいかな」と感じたが、ハードワークする選手にとっては過酷な状況だ。
前日公式会見と公式練習で驚きの連続
試合前日はスタジアムで公式会見、公式練習が行われた。そこで、驚いたことを2つ挙げたい。
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