【日本代表を追う〈4〉】チームはどう評価したのか 勝ちきれなかったホームのドロー
8大会連続8度目のワールドカップ(W杯)出場に向けたサッカー日本代表(FIFAランキング16位)、そのアジア最終予選を追うドキュメントの第4回。10月10日のサウジアラビア戦(ジッダ)を2-0でものにして、日本に戻ってきた。次はライバル、オーストラリア(同25位)を埼玉スタジアムで迎え撃った。
サッカー
〈森保ジャパン Road to 26 最終予選第4戦オーストラリア戦〉
3年前崖っぷち日本 田中碧鮮烈先発デビューの豪戦
3年前とは大きく状況の異なるホーム・オーストラリア戦となった。
当時は1勝2敗の崖っぷちで、負ければ森保一監督の解任の可能性もあった。23歳だったMF田中碧(リーズ)を最終予選初先発に抜てきし、システムも4-2-3-1から4-3-3に変更して臨み、田中の先制点などで2-1の勝利。そこから6連勝でW杯カタール大会の切符をつかんだ。
今回は日本が3連勝。逆に相手は1勝1敗1分けで監督交代も経験するなど、対照的な立場での対戦となった。
5万8730人が詰めかけた埼玉スタジアム。
試合前にオーストラリアがアクシデントに見舞われた。
バスが高速道路での事故渋滞に巻き込まれ、到着が大幅に遅れた。
キックオフの50分前の午後6時45分に会場入り。
ウオーミングアップの時間は限られたが、主幹のアジアサッカー連盟(AFC)の指示で定刻通り午後7時35分キックオフで進められた。
アジアの強敵に対して、日本はサウジアラビア戦からのターンオーバーはしなかった。
変更したのはMF鎌田大地(クリスタルパレス)とMF久保建英(レアル・ソシエダード)、体調不良でベンチ外となったMF遠藤航主将(リバプール)とMF田中碧(リーズ)の2カ所のみ。6月のアジア2次予選からチャレンジしている攻撃的な3-4-2-1の布陣を採用した。
GK鈴木彩艶(パルマ)、3バックは谷口彰悟(シントトロイデン)を中央に、板倉滉(ボルシアMG)を右、町田浩樹(サンジロワーズ)が左。右ボランチに守田英正(スポルティング)、左ボランチに田中碧(リーズ)。ウイングバックは左に三笘薫(ブライトン)、右に堂安律(フライブルク)。右シャドーに久保建英(レアル・ソシエダード)、左に南野拓実(モナコ)。そして1トップは上田綺世(フェイエノールト)を並べた。
前半から日本押し込むもスコアレスで後半へ
前半から日本が押し込む形で試合が進んだ。5バックで全体をコンパクトしてきた相手に対し、サイド攻撃でゴールを狙った。左サイドでは南野と三笘が、右サイドでは久保と堂安が連係し、突破を図った。
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