10代の時にプロデビューを果たしたものの、その後は下部リーグを転々とし、この夏から無所属になってしまったマリアン・ザールが、これまでのキャリアと今後について語った。

2013年12月、ドルトムントに所属していたザールは、弱冠18歳で欧州チャンピオンズリーグのマルセイユ戦の先発に抜てきされた。当時の指揮官ユルゲン・クロップはザールのことを「100年に1人の逸材」と評し、その3日後のブンデスリーガ1部ホッフェンハイム戦、さらに翌週のヘルタ戦でも起用するなど、大きな期待を寄せていた。

しかしこれらを最後にザールのトップチームでの出番はなくなり、2016年にウォルフスブルクBチームへ移籍。そして2018-19年シーズンにVfRアーレンで、さらに2019-20年シーズンにはカールツァイス・イェナで、3部から4部への降格を経験し、現在は新たな所属先を探している。

大衆紙「ビルト」のインタビューに応じたザールは、ドルトムントでデビューを飾った時のことを、こう振り返った。

「クロップの『100年に1人の逸材』という表現は、もちろんうれしかった。でもだからといって『自分が最強のプレーヤーだ』なんて思うことはなかった。チャンピオンズリーグに出場し、ブンデスリーガでも2試合ピッチに立ったけど、その後(出番がなくなったこと)については、僕のプレーに対する監督の評価が示されたにすぎない。そこからは何度かどん底も見てきたよ」

また、ドルトムントで最も印象に残っていることを聞かれた同選手は、「クロップの下でトレーニングを積み、試合に出たことが、僕にとって印象的な出来事だ。彼は、どの場面で選手を鼓舞しなければならないのか、どういった時に手綱を締めるのかを熟知している。今のリバプールを見ても、それがよく分かるだろう。あとはキャプテンだったゼバスティアン・ケールかな。彼は、けがをした時は自分の体を見直す最高のチャンスである、ということを教えてくれた」とコメントした。

そして「今後のプランは?」との問いにザールは「欧州の他の国でプレーできれば」と回答。ドイツを離れたい理由については「ゼロの状態からスタートできるからだ。昨シーズンは、ここドイツで自分に関する多くのネガティブな話題を目にしたし、それゆえ先入観を持たれることもあった。でも国外であれば、自分に何ができるかを、もう1度示すことができるんじゃないかと思っている」と話した。