新しい国立競技場で最初に行われるラグビーの試合が、早明の決勝対決。OBやファンにとって、たまらない試合になる。かつての国立は、多くのラグビー選手が目指した特別な場所。やはり「聖地」だ。

自身の経験から言えば、6万の大観衆の中では声が通らなくなる。屋根がある今の国立ならなおさらだ。秩父宮とは違う芝にも注意が必要。陸上トラックに沿って曲がったスタンドで、ラインアウトのボールも曲がりやすくなる。国立ならではの現象に、どう対応するか。そのためには、試合までの準備が重要になる。

幸い、両監督は国立での経験も豊富。注意すべき点を選手に伝えることができる。準決勝で感心したのは明大。バックス陣が大声をかけあい、プレーが止まるとすぐに集まって話し合っていた。いずれも「国立対策」だろう。緻密な準備ができるところが、今の明大の強さ。昨年以上に強さを増した明大が、決勝でも有利だと思う。(元日本代表)