どーもです。筒氏も触れている野球ですが、ボクはスポーツ新聞社に勤めながら野球にはほぼ興味がない、珍しい存在だったりします。そんなボクでも大谷翔平選手とベイスターズは気になったほどなので、野球ファンの方にといっては、いい1年だったのではないかと思います。仕事柄元プロ野球選手とゴルフをすることもありますが、ご一緒させてもらうたびに感じるのが「積んでいるエンジンが違う」ということ。当然なんですけどね。取材で数時間ベタ座りするだけで腰痛に悩まされ、クラブが振れなくなるオジゴルファーと比べること自体が間違いですよね。そしてこれはボクの肌感覚ですが、やはり元投手のほうが総じてゴルフはうまいようにも感じました。というわけで、筒氏のコラム「これってギアで解決?それともレッスン?」をお届けしますので、お楽しみください!


■ワールドシリーズも、日本シリーズも、野球が最高に面白かった!

この連載が公開されているころ、今年最高に面白かった野球のワールドシリーズと日本シリーズが終わり、寂しい気持ちになっている人がたくさんいると思います。来年春まで、MLB での日本人の活躍が見られないですが、NPB では阪神・藤川球児監督はじめ、新監督が次々に誕生。個人的には「先月PING パーティー写真を一緒に撮った藤川氏が!」の思いや、落合監督時代の選手会長だった井上一樹新監督&コーチングスタッフが気になって仕方がない! 秋季キャンプ&春のキャンプも目が離せないほど。


昨年のWBC以降「インドアゴルフレンジKz亀戸店」でも、野球の話題が一気に増えましたが、元プロ野球選手のプロコーチに師事し、研修生時代は「半分近く」野球トレーニングに明け暮れた「下手の横好き」野球好きの僕にとって、改めてゴルフと野球の「似ている所」「似てない所」をお話ししようかと思います。

■野球もネット情報が氾濫!? ゴルフスイングと野球スイングは似ている? 似てない?

「野球は観戦」ゴルファーは非常に多いと思いますが、低めのボールを捉えたバッターの写真が「ゴルフスイングに似てる!」と感じたり、「野球出身者は飛ぶ」の話など、ゴルフと野球は近い存在。しかし一方で、「バッター出身者はスライスする」「ゴルフスイングはピッチャーの方が向いている」など、「どこが似ていてどこが似てないのか?」イマイチよく分かっていない部分が多くあります。


大きな所から「似ている点」では、野球ができる「体力」を持っている人ほど、ゴルフをするのに飛距離の面でも、プレーの面でも、絶対的に有利なのは間違いないでしょう。野球のボールを「遠くに飛ばす」「速く投げる」「速く走れる」人ほど、ゴルフでは先天的に「飛ばし屋」なのは事実。しかし広角に打っても、ファールを打っても許される野球のバッターと、左右に曲がってしまうとトラブルになるゴルファーの「方向感覚」の面では、ピッチャー感覚に近いと言えます。


ところで話は変わりますが、野球でもネットやYouTubeでスイングレッスンを視聴している人がたくさんいるとか。この辺りは野球も、ゴルファーも、「上達思考」や行動が似ているのかも知れません(笑) また「同じ人間」が行う以上、バットを振る時とクラブでスイングする時の「体の使い方」は非常に似ています。自分のバットスイングとゴルフスイングを比べてみても、「ほぼ完全に」悪い所がそっくり(苦笑) 改めて、「もっとバット素振りをしないと!」と痛感しています。


■弾道計測はどっちが先!? ボールにとってインパクトは同じ?

飛球法則による弾道計測は「野球」「ゴルフ」のどちらが先だったか? これは定かではありませんが、いずれにしても現代の野球も、ゴルフも、打球や投球は全て弾道測定によって数値化&可視化されています。また「ボールにとって」どんなスピードでどんな軌道&向きでインパクトすれば、どんな曲がり方になるのか?も、基本的にはゴルフも野球も同じです。


バッティングにも「ドロー」「フェード」がありますし、「スピン」が効いた打球や投球は「ダウンブロー」によって生まれることも分かっています。遠くに飛ばす「ロースピン」ほどボール速度が速くなることも同じ。「フライボール革命」かどうかは別にして、ボールの飛ぶ理屈は、昔も今も物理で決まるのです。


■ゴルフスイングは「キャッチャーミットの中のボール」を打つ!?

研修生のころ、「ゴルフスイングのため」に“野球バッター素振り”でたくさんやったのが、「見逃し」素振り。周知の通り、野球のバッターとは違いゴルフスイングのインパクトは、左足の内側にボールが止まっています。「感覚」としてはキャッチャーミットに収まるボールを引きつけるような上半身と投げて来るボールを打ち返す下半身の動きを「両方」できるほど、飛んで曲がらないゴルフスイングの土台の動きができているのです。


もう1つ。バッティングではボールの下に「空間」がたくあり、多少アッパー軌道が大きくなってもボールにさえ当たれば許されますが、「地面のボールを打つ」ゴルフスイングでは、ティーアップしたドライバーでも「数度アッパー」までしかナイスショットになりません。アイアンやフェアウェイウッドはボールの手前にヘッドが落ちれば即ダフリのミスになってしまうため、トップからインパクトまでは野球よりも空間が大きいのに「インパクト前後はシビア」な所が難しいのです。


「シャフトを立てろ」「シャローイングしろ」など野球以上に無数のスイング論がある(!?)理由も、ダウンスイング自体は自由な割に「インパクトが非常にシビア」かつ「フェース面の向きも管理」しなければいけない所も、ゴルフ特有の難しさでしょう。「止まっているから簡単」かも知れませんが、ボールもフェースも小さいのにターゲットが物すごく遠くにあって、小さいカップの入れなければならないのですから、他のスポーツアスリートたちが皆「ゴルフは難しい」というのも当然なのかも知れません。


文・構成/猿場トール


■筒康博 スイング・ギア両面から計測&解析を活かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。人気「インドアゴルフレンジKz亀戸店」ヘッドティーチャーを務めるかたわら、さまざまなメディアに連載中。WEB マガジン&コミニュティ「FITTING」の他、FM ラジオ番組内ではコーナーも担当し出演している。


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