ツアー本格参戦1年目の佐伯珠音(20=サーフビバレッジ)は、愛犬のトイプードル・マロンと一緒にウオーミングアップを始める。ジュニア時代から母の運転するキャンピングカーでともに転戦。福岡・沖学園高ゴルフ部のバスでもみんなにかわいがられるアイドルだった。「小さい頃から連れていくのが当たり前で、家よりキャンピングカーの方が落ち着くみたいで…。家でお留守番させると、寂しがってストレスをためちゃうんです」と笑う。

 試合中は、定位置となった助手席でホールアウトをおとなしく待つ。車内の温度が高くなる7、8月の試合は福岡の実家に預けていたが、9月の日本女子プロからツアーに“復帰”。「やっぱり癒やされますよね」と、厳しいプロの世界で奮闘する佐伯にとって欠かせない存在となっている。

 8月の大東建託・いい部屋ネットレディース第2日に自身初の最終組を経験。しかし、4番で「10」をたたくなど想像を超える重圧に屈した。来季シード当確の永峰咲希や堀琴音、10月の日本女子オープンで優勝争いを演じた柏原明日架は同学年。「何とか差を縮めて、同級生と競い合いながら上を目指したい」。愛犬に癒やされ、同い年の活躍に刺激を受けながら、まずは来季の出場権がかかるQTに挑む。【亀山泰宏】

 ◆佐伯珠音(さえき・あかね)1995年(平7)9月1日、北九州市生まれ。ゴルフは8歳から。高校1年時に日本女子アマ4強。昨年プロテスト合格。今季最高位は3月アクサ・レディースの15位。持ち味は曲がらないショット。キャンピングカーの目印は大きな「ドラえもん」のステッカー。156センチ、60キロ。