永井花奈プロ(23)とSKE48山内鈴蘭(26)のハンディ戦9ホールマッチの対戦は引き分けで幕を閉じた。対戦終了後、山内は「どうしても聞きたいことがあります」と直訴したのが、中途半端な距離での調整方法。永井プロがポイントを教えます。

 
 

アマチュアにとってフルスイングできる距離はある程度自身をもって打てるだろう。だがちょうど番手と番手の間、いわゆる「ビトウィーン」となると一気に難易度が上がる。

舞台は13番126ヤードパー3。

山内 クラブの番手選びで迷うんです。126ヤードは9番だとちょっと届かないけど、8番だと大きい。こういう時はどうしたらいいのかを教えてほしいです。

永井 ラウンド中にアドバイスを求められたとき、スイングで調整する方法として軽く打つことを紹介しましたが、「それは難しい」と言っていましたよね。確かにそう思う方も多いと思います。そこでもう1つの方法として、「クラブを短く持つ」ということもあります。

グリップの最も先に右手がくるくらい短く握る方法を紹介した。

「ビトウィーン」ではクラブを短く持つのもいい方法です
「ビトウィーン」ではクラブを短く持つのもいい方法です

永井 クラブの長さが番手によって変わるように、短く握ることで短いクラブで打っているのと同じになります。もう1つ、これはティーショット限定になりますが、ティーイングエリアではルールで2クラブレングス以内ならどこからでも打てます。これをしっかり活用して、なるべくフルショットに近いかたちで打つという方法もあります。

山内 アマチュアの場合、「なるべく近くに」と思ってティーマークギリギリにティーアップしちゃう(笑い)。それじゃダメなのね。ルールを最大限に活用しないとですね!

永井 ティーショットならクラブを短く持つのと2クラブレングス下がることの2つの組み合わせもできます。特にピンを狙えるようなショートホールだと、距離感が大切になってきますから。

山内 私の場合、どっちが向いていますか?

永井 対戦中は軽く打つ方でミスをしてしまったので、短く持つ方がいいかもしれません。

ショートホールのティーイングエリアであることからルールを活用し、12番に再挑戦。

永井 2クラブレングスで約2ヤード、短く持つことで約3ヤード、この2つを合わせて5ヤード調整出来ます。これでフルショットができるなら十分です。

ティーショットでは2クラブレングス分下がって打つこともできる
ティーショットでは2クラブレングス分下がって打つこともできる

山内 アマチュアはフルショットしか練習しないので、急にハーフスイングをしようとしても、それはできないですよね。下がって、短く持ってフルスイングすればいいんだ。このやり方は初めて!

永井のアドバイスを実践した結果は、グリーンやや奥をしっかり捉えた。

山内 なんかイメージ沸きました。変にハーフショットをしようとすると手元が緩んだり、ダフったりしちゃう。下がって短く持ってのフルショットで奥に乗るなら、そのほうがいいですよね。

永井 フルショットできる環境をつくって、気持ち良く振るのが一番です。

山内 普段やったことがないことをいきなりやってはダメってことですよね。短く持って下がって打つ。メチャクチャ簡単じゃないですか~!

永井 簡単にしていくのも大事なんです。ぜひみなさんも使ってくださいね。

◆永井花奈(ながい・かな)1997年(平9)6月16日、東京都生まれ。16年7月、プロテスト合格。17年に樋口久子・三菱電機レディースでツアー初優勝を果たすと、賞金ランク20位に入りシード権を獲得。19年も36位で3年連続のシード権確保。所属はデンソー、契約クラブはヤマハ、ボールはタイトリスト、ウエアはMARK&LONA、シューズはecco。155センチ。

◆山内鈴蘭(やまうち・すずらん)1994年(平6)12月8日、千葉生まれ。09年AKB48の9期生としてデビュー。14年SKE48チームSに移籍。父の影響でゴルフを始め、中学生時代にはプロとアイドルを目指し、オーディション合格でアイドルを選択。現在テレビ東京系ゴルフ番組「日曜ゴルフっしょ!」(日曜、午前11時)にレギュラー出演中。152センチ。血液型O。


◆取材・構成=川田和博

◆撮影=狩俣裕三

◆協力=飯能グリーンCC(埼玉)