【鎌田英嗣〈下〉】バーにキスクラ、衣装で接客…「おむすびアクセル」とは/社会人の今

7月からフィギュアスケートの2024―25年シーズンが幕を開けました。

2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪(オリンピック)を見据えて、多くの有力選手が大事な1年を過ごす一方、フィギュア界から羽ばたき、別の場所で人生を送っている元選手たちがいます。

日刊スポーツで2021年冬に掲載したシリーズ「銀盤に別れを告げた選手たちの今」の第2弾。

シリーズの第2回に登場するのは、2014、15年にジュニアグランプリシリーズ(GP)に出場するなど2020年に現役引退するまで最前線で活躍した鎌田英嗣さん(27)。競技人生から「今」を探ります。全2回の後編は、バーのマスターとして第2の人生を歩み出した喜びや苦悩について掘り下げます。

フィギュア

今につながっている競技生活

―2023年5月にフィギュアスケートバー「おむすびアクセル」をオープンされました

鎌田 自分の中で、フィギュアスケートでの知名度に頼れるのも今のうちかなという思いがあり、「思い切ってやってみよう」というのが始まりです。スポーツバーのマスターとして、お客さまと一緒に試合を応援できるような環境をつくり、喜んでもらいたいという思いを一番に持ってやっています。

―こだわりのポイントはありますか

鎌田 大事にしている点は、お客さまの意見を尊重することです。ファンにとって、フィギュアスケートを好きになったきっかけはさまざまで、見ている期間も違えば、好きな選手だって違います。だからこそ、僕がフィギュアスケートの魅力を伝えるだけではなくて、お客さまからも教えてもらうようにしています。フィギュアスケートをお客さまとともに「語り合える場」にできたらいいなと思っています。

おむすびアクセルのドリンクメニュー。「MAO」「トリプルアクセル」「Shoma」などフィギュアスケートにちなんだお酒もたくさんそろえている(撮影・勝部晃多)

おむすびアクセルのドリンクメニュー。「MAO」「トリプルアクセル」「Shoma」などフィギュアスケートにちなんだお酒もたくさんそろえている(撮影・勝部晃多)

おむすびアクセルのドリンクメニュー(撮影・勝部晃多)

おむすびアクセルのドリンクメニュー(撮影・勝部晃多)

―キス・アンド・クライの設置や、現役時代の衣装での接客などユニークな仕掛けもあります

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スポーツ

勝部晃多Kota Katsube

Shimane

島根県松江市出身。小学生時代はレスリングで県大会連覇、ミニバスで全国大会出場も、中学以降は文化系のバンドマンに。
2021年入社。スポーツ部バトル担当で、新日本プロレスやRIZINなどを取材。
ツイッターは@kotakatsube。大好きな動物や温泉についても発信中。