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デービッド・レクタ・ルディシャ(ケニア)

男子800m

デービッド・レクタ・ルディシャ(ケニア)
男子800メートルで今季世界最高記録をマークしたデービッド・レクタ・ルディシャ(写真提供:フォート・キシモト)

マサイの誇りを胸に、圧巻のスパート期待

 2010年のルディシャの走りは衝撃的だった。8月22日にベルリンで1分41秒09と13年ぶりに世界記録を更新すると、7日後にはイタリアのリエティ1分41秒01と世界新を連発。「自分の調子も気象条件も良かった。また記録を出せると思っていた」。前年の世界陸上では準決勝落ちだった21歳が急成長を見せた。

 その活躍が評価され、国際陸連年間最優秀選手賞を史上最年少で受賞。「ケニア人として、そしてマサイとして、初の受賞を誇りに思う」。

 マサイは少数だが高い身体能力が特徴。父親は68年メキシコ五輪4×400メートルリレーの銀メダリストで、ルディシャの腕を大きく振り大きなストライドで走る姿は、短距離選手を見ているようだ。

 今季は足首の故障で一時期ブランクが生じた。だが、6月30日のダイヤモンドリーグ・ローザンヌ大会では、世界陸上前回金メダリストのムブラエニ・ムランジ(南アフリカ)や同銀メダリストのアルフレッド・イエゴ(ケニア)に圧勝。7月22日のダイヤモンドリーグ・モナコ大会では1分42秒61の今季世界最高をマークした。

 「もうケガは大丈夫。世界陸上は期待してもらっていいよ」。

 世界陸上の中距離種目は、勝負優先となるとスローペースになるかもしれない。しかし、ルディシャが見せるロングスパートは圧巻のシーンとなる。後続に何メートル差をつけるだろうか。

 ◆デービッド・レクタ・ルディシャ(David Lekuta RUDISHA=ケニア) 1988年12月17日生まれ。189センチ、73キロ。男子800メートル世界記録保持者。06年の世界ジュニアに優勝して頭角を現した。10年には世界記録を2度更新し、ダイヤモンドリーグ年間優勝も達成。400メートルの自己記録は45秒50と、日本ならトップレベル。







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