＜Ｗ杯：ベルギー２－１アルジェリア＞◇１次リーグＨ組◇１７日◇ベロオリゾンテ

　ベルギーのマルク・ウィルモッツ監督（４５）が、攻めの采配で白星をもぎ取った。アルジェリアに逆転勝ち。前半２５分にＰＫで失点したが、後半に投入した２選手が同点、決勝弾を奪い、前回出場の０２年日韓大会以来１２年ぶりの勝利を飾った。

　“ドン引き”のアルジェリアに手を焼いていたウィルモッツ監督が動いた。０－１の後半２０分、３枚目の交代カードで１９４センチのＭＦマルアン・フェライニ（２６＝マンチェスターＵ）を起用。その５分後、デブルイネの左クロスをバックヘッドで決めた。マンチェスターＵで日本代表ＦＷ香川と同僚の２６歳が同点弾で期待に応えた。さらに１０分後、後半開始から登場したＦＷドリース・メルテンス（２７＝ナポリ）が決勝弾を突き刺した。アザールの左からのパスを逆サイドで受け、疲労で走力の鈍ったＤＦを置き去りにした。

　日韓大会の日本戦でオーバーヘッドを決めたウィルモッツ監督は、１２年ぶりの舞台で勝負勘を発揮。前半は支配率を高めるため技術のある選手を並べ、相手の運動量が落ちる後半に長身フェライニと快足メルテンスを投入。平面的だった攻撃に高さを加えて揺さぶった後、生きのいい選手が再び速さでドラマを完結させた。ハーフタイムに「交代選手が違いを生み出す」と準備させていた青年監督が打った、攻めの手だった。