★今日9日から首相・石破茂は、今年からASEAN(東南アジア諸国連合)の議長国を務めるマレーシアとインドネシアを訪問。それぞれ首脳会談を行う。7日、自民党新年仕事始め式で首相は「12年に1回、都議選と参議院選挙の同じ年で行われるということでございます。今年は選挙の年、もう1度私どもは虚心坦懐(たんかい)、誠心誠意、握った手や歩いた家の数しか票は出ない。これは選挙がどんな選挙であれ同じだ。自由民主党、総力を結集してまいりたいと存じます」とあいさつ。党幹事長・森山裕は参院選について与党で「過半数を死守する。参議院全体の過半数と改選議席の過半数どちらも果たすことが大事だ」と選挙イヤーを強調。参院選は125議席を争う見通しだが、その過半数は63議席となる。加えて衆院選とのダブル選について「衆参同日選挙を、先に決めることはあり得ない話だ」と含みを残した。
★また同日開かれた新年互礼会に出席した首相は「いろいろ書かれて悲しいこともいっぱいあるものです」「それにめげずに今年も頑張りたい」と決意を示した。笑いを誘う一方、「『強い日本』や『豊かな日本』に代わる新たな理念として『楽しい日本』をつくっていかなければならない」とした。年末から年始にかけての2人の一連の発言から透けて見えるものは、<1>野党に大連立が視野にあることを見せて野党世論を探り<2>今年は選挙イヤーだとして党内を鼓舞し、不満の残る一部党内に石破降ろしの余裕などないと喚起<3>参院選の勝敗ラインを過半数とおとなしく見積もりながら場合によっては同日選も視野に入れると全方向に“いろいろ何でもあるぞ”と見せた。
★そこにしたたかな戦略があるとは思えぬが、それどころか政権を預かりながら何が起こるか、どう転ぶかわからないが本音だろう。7月の参院選まで通常国会、予算審議、外交で何が起こるか、また政治とカネのうみをだし切る前に、また新しい政治とカネ問題が党内から噴出したら。楽しい日本は来るのか。(K)※敬称略