プロ野球番記者コラム

【阪神】現役ドラフトで獲得の畠世周はキャリアハイで球団の近大出身選手最多勝なるか

巨人畠世周(2021年撮影)
巨人畠世周(2021年撮影)

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

キャリアハイで球団史を塗り替えられるか。12月9日に行われた第3回現役ドラフトで阪神は巨人に所属していた畠世周投手(30)を指名した。

現役ドラフトで一番恩恵を受けているのは阪神だろう。第1回ではソフトバンクの大竹耕太郎投手(29)を獲得し、移籍1年目の23年に自己最多12勝を挙げてリーグ優勝と日本一に貢献。2年目の今季も自身初の規定投球回に到達するなど11勝と活躍を続けている。第2回でオリックスから獲得した漆原大晟投手(28)も自己最多38試合に登板し、中継ぎの一員としてチームを支えた。

畠は近大広島高福山から近大を経て16年ドラフト2位で巨人入り。近大時代に関西で過ごしている縁もある。阪神では近大出身選手も過去に所属しており、現役の佐藤輝明をはじめ、糸井嘉男、俊介、林威助らが在籍した。ただ、投手は栄屋悦男、西村繁一、酒井光次郎とわずかだ。

このうち勝利を挙げているのは栄屋が54年にマークした7勝のみ。畠は新人年の17年に主に先発として13試合に登板し、自己最多の6勝(4敗)をマークしている。すなわち、畠がキャリアハイの勝利数を残せば球団の近大出身投手としては年間最多勝となる。大竹と漆原の両者に共通するのは移籍後にキャリアハイの数字を残したこと。過去の流れに乗れば、球団史に名前を残すチャンスは十分にある。

近大出身の選手が同じ年に複数人所属したケースはあったが、投手と野手の同時所属は97年の酒井と外野手の畑山俊二のケースのみだ。来季の阪神は現状、近大出身は畠のほかに佐藤輝明が在籍しており、球団史上初の投手と野手の同時出場も可能性がある。

今季は村上頌樹と前川右京の「智弁学園コンビ」がそろってお立ち台に立ち、話題にもなった。来季右腕が復活すれば、新たな「近大コンビ」誕生も見えてくる。【阪神担当=林亮佑】

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