イチロー氏、武豊騎手の究極質問に答え「チーム勝利の4タコと負けても4安打」どっちに満足感?
JRAは12日、特設サイト「ICHIRO MEETS KEIBA MOVIE」で、武豊騎手(55)とイチロー氏(51=マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)の特別対談をアップした。イチロー氏のオリックス在籍時から30年近い交流がある2人で、第3回のテーマは「理想のチームワークとは」。
イチロー氏は開口一番「これはなかなか難しいテーマかもしれないですね」とつぶやいた。「(野球は)ややこしいです。チーム競技なのに、個人ができなければボロカス(言われる)ですからね。チーム勝っても、ボロカスですからね。チーム競技じゃないの? って言いたくなることはありますけど、でもそこはプロの世界なので」と続けた。
「チームがうまくいってたとしても、個人で結果を出せてなかったら『おまえ、クビ』で終わりなので。やるしかないですよね。じゃあチームファーストなのか、個人ファーストなのか。問われたらすごく困ります」と語った。
武豊騎手が「野球選手はこういうケースはどうなんだろうと思うのは、例えばバッターで、4タコ、4打数無安打だけどチームは勝ちましたという時と、4打数4安打打ったけど、でもチーム負けました。どっちに満足感が得られるのかなと思って」と問われた。
イチロー氏は「どんなゲームかにもよります。本当にシーズンの最後で、プレーオフに出られるかどうかの試合。その1試合で決まる、負けたら終わりであれば、もちろんそれは勝ちです。次のステージがありますから。でも基本的には4の4ですよ。じゃなかったらプロじゃない」
「プロですもんね」と声をかけられると「みんな言うんですよ、チームの勝利のためにって。今年の抱負は? チームの優勝、それは当たり前だよって思うじゃないですか。そんなこと言うことじゃないんですよ。当然それはあるものであって。その上でどんな目標がって、答えてほしいんですよ」と説明した。
武豊氏は「なんとなくそう言ってほしいなって思いながら聞いたら、全部答えてくれたので良かったと思いました」と笑った。
イチロー氏は「当時から僕は言っていたので、反感も買います。でもこれこそ曲げられない、当然のことなので」とプロフェッショナルの思いを語った。