プロ野球番記者コラム

【阪神】才木浩人よ破れ14勝の壁 15年藤浪晋太郎以来チーム10年ぶりの「大台」なるか

阪神才木浩人(2024年10月27日撮影)
阪神才木浩人(2024年10月27日撮影)

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

突き破れ、14勝の壁-。昨季13勝に終わった阪神の才木浩人投手(26)には、多くの先輩たちが到達できずに終わった勝ち星を目指してほしい。阪神で14勝以上を挙げた投手は、15年藤浪晋太郎の14勝が最後。以降9年間にわたって出ていない。

近年の阪神ではなぜか、在籍中の自己最多が13勝という投手が相次いでいる。才木も含めると、80年以降で9人にのぼる。

最近では青柳晃洋の例がある。21、22年と最多勝、最優秀勝率を連続受賞(22年は最優秀防御率も獲得)。勝ち星はいずれも13勝だった。

他の生え抜きたちも13勝止まりが多い。安藤優也は08年に、能見篤史は09年に、それぞれ13勝。いずれもこれがキャリアハイとなった。

少しさかのぼると、川尻哲郎は2年目の96年に急成長して13勝したが、その後、この年の勝ち星を上回ることはなかった。

83年のチーム勝ち頭は、工藤一彦で13勝。小林繁と並びトップだった。小林が巨人から移籍した際に、背番号「19」を譲ったのが工藤だった。この年限りで引退した小林と同じ勝ち星と飛躍したが、これが自己最多となった。

14勝の壁は、生え抜きだけにとどまらない。

メジャーから国内復帰し03年Vの立役者となった伊良部も同年13勝。翌年は0勝に終わり、退団となった。助っ人では、85年にエース級の働きを見せ日本一に導いたゲイルも13勝だ。日本球界98勝のレジェンドとなったメッセンジャーもまた、14年の13勝が最多だった。

この9年間に14勝以上を挙げた投手がいなかったチームは阪神のほか、ヤクルト、中日のみ。

個人最多は4度で、巨人菅野智之(17年17勝、18年15勝、20年14勝、24年15勝)。次いでオリックス山本由伸が3度(21年18勝、22年15勝、23年16勝)と、貫禄を見せて海を渡った。才木はこの壁を破ることができるか。

【記録室=高野勲】(22年3月のテレビ東京系「なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦」準優勝)

阪神時代の藤浪晋太郎(2022年11月26日撮影)
阪神時代の藤浪晋太郎(2022年11月26日撮影)

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