【ドラフト連載】151キロ右腕日本生命・谷脇弘起、国際大会登板と新球習得でさらなる成長へ
<社会人編>
ドラフト候補紹介企画の最終回は社会人編。大学時代にドラフト会議で指名漏れを経験した、日本通運の冨士隼斗投手(22=平成国際大)と日本生命の谷脇弘起投手(23=立命大)は、悔しさを糧に進化を続ける。
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悔しさから立ち上がった。立命大のエースだった谷脇は23年秋のリーグ戦では同大との1回戦で関西学生連盟史上31人目32度目となる無安打無得点試合を達成。ドラフト注目の選手となったが、プロ志望届提出も吉報は届かず。社会人野球の名門・日本生命の門をたたいた。
国際試合の舞台がさらなる成長のきっかけになった。U23日本代表の一員として昨秋に中国で行われたW杯に出場。開幕試合のプエルトリコ戦で4回7安打4失点と打ち込まれた。打ち損じが内野手の頭上を越える。経験のないパワーに圧倒された。
「連続で同じ球は投げられない。緩急のあるカーブを使えば、抑えられたかもしれない。社会人もスピードボールを打つ打者が多い。コースに投げて、やっと打たれない球になる」
理想の球は、打者が踏み込むのをためらうボール。自身の「生命線」の直球と縦に近いスライダーは、右打者のインコースに投げれば、軌道は重なる。社会人1年目の昨季はインコースへの投球練習を繰り返した。打者役の辻太一投手コーチ(51)の腰付近に投球が直撃しながらも、苦戦を重ねてこの冬につかんだという。
新たに140キロ台で約50センチの落差を生むフォークも習得。「チームの結果を優先した投球がしたい。慎重だと、新しいことには踏み込めない。今以上に力を出さないと」。グラブに刻む「七転八起」のごとく、経験をもとに何度も立ち上がる。【中島麗】