12日間の戦いで日本は金メダルを獲得できなかった。初めて参加した1964年東京大会以来、連続して獲得してきた伝統が途絶えた。
陸上、競泳、柔道が誤算だった。日本はこれまで最多の金17個を獲得した88年ソウル大会と2004年アテネ大会など、5大会で金メダル数を2桁に乗せた。いずれも個人競技で数字を伸ばした。
今大会、柔道は男子60キロ級の広瀬誠(愛知県立名古屋盲学校教)しか決勝へ進めず、100キロ超級で2連覇を狙った正木健人(エイベックス)は銅。競泳男子でメダル4個を稼いだ木村敬一(東京ガス)も得意種目で勝ちきれなかった。陸上男子走り幅跳び(切断などT42)の山本篤(スズキ浜松AC)は自己ベストに並ぶ跳躍だったが2位だった。
銅の車いすラグビーなど団体競技、種目で健闘はあったものの、金の数を増やすには個人競技での躍進が必須だ。日本選手団の大槻洋也団長は「金メダル10個、金メダル国別ランキング10位」と、5個だった前回大会からの倍増を目標に掲げていたが、数字の根拠は不明瞭。期待が高まる4年後は、より精密な戦力分析と目標設定が求められそうだ。