- バドミントン女子シングルス 決勝トーナメントに進出した奥原希望
<リオ五輪:バドミントン>
日本バドミントン陣が好調だ。5種目中、男子シングルス以外の4種目で決勝トーナメント(T)進出を果たした。これまでの1次リーグの戦いと15日から始まる決勝Tの展望を池田信太郎氏(35)が分析した。
◇ ◇
女子シングルスの奥原は1次リーグ2戦ともシャトルのコントロールが良く、しっかり準備できていることがうかがえた。昨年のスーパーシリーズファイナル、今年3月の全英オープンを制した時と同じように軽々と勝っており、十分期待できる雰囲気がある。一方、山口はまだ硬さがあり、ミスが目立つ。世界ランク4位のインタノン(タイ)戦に向け、集中し、思いきったプレーを見せてほしい。
男子ダブルス早川、遠藤組は世界ランク5位、2位のペアに対して素晴らしい戦いぶりだった。堅固な守備からの攻撃、何より相手に強い気持ちでぶつかる精神的な強さが光った。決勝Tは組み合わせが良く、メダルはかなり近づいているが、気になるのが腰を痛めた早川の状態。上半身が思うように動かないようで、1日置いて回復していることを祈るだけだ。
女子ダブルス高橋、松友組は、1戦目で松友が緊張していたが、だんだんエンジンがかかってきた。まだ格下との2戦のため課題は見つからない。あとは金メダルに向けて、プレッシャーをどれだけ味方にできるかだ。
混合ダブルス数野、栗原組は、気後れすることなく戦えているのが結果につながっている。結成して1年。栗原は前衛での判断の速さが良くなり、数野はミスが減っており、成長が感じられる。混合は今回初めて8強入りを達成した。日本協会には東京五輪に向け、所属チームを越えた混合の強化をもっと進めて欲しい。
最後に、男子シングルスの佐々木。オーセフ(英国)との2戦目では相手の高さのある攻撃を止めきれなかった。試合後に引退の意向を示したが、彼は肉体改造に取り組むなど努力を続け、3度目の挑戦でロンドン五輪出場を勝ち取ったアスリートの鏡のような存在。ロンドンでは日本初の8強。日本バドミントン界に大きな功績を残してくれた。日本男子シングルスのレベルは確実に上がっている。仮に桃田が復帰したとしてもエースとは限らない。4年後の東京五輪に向け、若手にはエースの座を狙い競争してほしい。(池田信太郎=北京、ロンドン五輪代表)
日刊スポーツ リオ五輪評論家
古賀稔彦(柔道)
バルセロナ五輪金メダル「平成の三四郎」が日本柔道を解説。
伊東浩司(陸上)
10秒00の男子100メートル日本記録保持者が、躍動する日本の陸上を解説。
瀬古利彦(マラソン)
五輪2度出場、往年の名ランナーが日本の陸上を評する。
野口みずき(マラソン)
アテネ五輪金メダリストが長距離日本代表を解説。
高橋繁浩(競泳)
平泳ぎで五輪2度出場。テレビ解説でもおなじみの中京大教授が日本のスイマーを分析。
小谷実可子(シンクロ)
ソウル五輪銅メダリスト「永遠のマーメイド」が復活狙う日本のシンクロを解説。
池田信太郎(バドミントン)
「イケシオ」コンビでロンドン五輪出場。躍進する日本のバドミントンを解説。
米田功(体操)
アテネ五輪団体総合金メダリストが日本体操陣を分析。
セルジオ越後(サッカー)
ご意見番がサッカー五輪代表を辛口チェック。
秋田豊(サッカー)
W杯2度出場の熱血ディフェンダーがサッカー五輪代表を解説。
宮崎義仁(卓球)
2012年ロンドン五輪男子代表監督が、連続メダルを狙う日本の卓球を解説する。
伊藤華英(競泳)
高校生で日本代表入りし、美女スイマーとして五輪に2度出場。選手目線の細かすぎるエピソードを交えて競泳陣の奮闘ぶりを解説します。
高橋有紀子(バレー)
インドアで2度、ビーチで2度の五輪出場。4大会連続入賞という日本女子バレー界唯一の記録を持つ。2大会連続メダルを目指す日本のプレーを分析します。
植松鉱治(体操)
絶対王者・内村に最後に個人総合で勝った元鉄棒日本チャンピオンが、頂点を目指す体操ニッポンの演技を解説します。