<リオ五輪:陸上>◇14日◇女子マラソン

 今回はちょっと残念だった。序盤は第1集団の中段から後方にいた。あの位置では揺さぶりやペースアップの時に、瞬発的に対応できない。福士選手はじわじわと追い上げて12キロ過ぎで追いついたが、そこで力を使ってしまった。集団の中で何度か細かい揺さぶりがあってそれにうまく対応できなかった。本当はもっと積極的に前にいかないと。

 スタート地点は道幅が狭くて、選手が並ぶときつきつだった。確かに先頭まで行くのは難しいが、人をかき分けてでも、いい位置を取らないと。高橋(尚子)さんや私がかけたような中盤でロングスパートをかけられるところに持っていけない。もったいない。

 リオ五輪を終えて、東京五輪へのカウントダウンは始まっている。4年間はあっという間。日本陸連は2年前からのナショナルチーム(NT)合宿をしているが、年に1回ではあまり意味がないかなと感じた。NTを継続するならもっと定期的にやったほうがいい。

 また選手も昔に比べて、少しひ弱な感じがする。「ぬるま湯」の中でレース、練習に取り組んでいる環境になっている。頑張っているんだろうけど、伝わってこない。自分に厳しくできるか。自分次第、気持ち次第だと思う。(04年アテネ五輪金メダリスト)