リオデジャネイロで最も有名な観光地がコルコバードの丘だ。さまざまなメディアでリオが紹介される冒頭で、必ず登場する。切り立つ岩山の上にキリスト像がそびえ立ち、リオの街を見守っている。

 ブラジル独立100周年を記念して、1931年に完成。高さ39・6メートル(台座が9・5メートル)キリストの石像が、同710メートルの山に立っているから不思議だ。

 その場所からリオの街が一望でき、五輪会場も見ることができる。北の方角を見れば開閉会式が行われるマラカナンスタジアム、北東にはセーリング会場のグアナバラ湾、南東には世界的な観光地でビーチバレーなどが行われるコパカバーナビーチ、南直下を見ればボート・カヌー会場のロドリゴ・フレイタス湖が見渡せる。

 710メートルもの高さから見ると、リオの壮大な絶景が見られるわけだが、五輪会場それぞれに実際に近づいてみると、さまざまな問題を抱えていた。

 何はともあれ8月5日にはここで世界最大の祭典が開かれる。南米初の五輪がリオに何をもたらすのか―。その現実に迫っていきたい。