結局、良かった。最初はどうなるかと心配したけれど、大会も無事に最終日を迎える。開幕直前に完成した地下鉄は走っているし、ジカ熱の話も聞かない。確かに会場の見栄えは良くない。日本ならもっと機能的で、きれいに準備をするだろう。運営もスムーズに行うはずだ。でも、これでも十分に大会はできる。
「シンプル・イズ・ベスト」。選手が自分の力を出しきり、観客が心からスポーツを楽しめればいい。人の目を気にすることはない。死ぬ前にマラカナンで優勝するブラジル代表を見ることもできた。それだけでブラジル人は満足だ。
心配なのは今後。五輪はファベーラ(貧民街)には何も残さないし、多額の借金を返すのに何年かかるか。開催に反対する人も多かった。W杯の2年前より経済状態が悪く、政治が不安定だからだ。ただ「病院を」「学校を」と叫んでいた人たちも、みんな大会は楽しんでいた。ブラジル人として、リオ五輪を誇りたい。【エリーザ大塚通信員】