【千葉百音の言葉】SNSで見た「この世の終わりの顔」の声 芽生えた意識/現地限定

24年世界選手権代表の千葉百音(19=木下アカデミー)が、初のグランプリ(GP)ファイナル(12月、フランス・グルノーブル)切符をつかみました。

ショートプログラム(SP)終了時点で1位から5位まで1・78点差の大接戦。緊張感高まるフリーも2位の141・05点を記録し、合計211・91点で2位に食い込みました。

11月23日のフリー後、一夜明けて笑顔への意識などを語った24日の現地取材メディア限定のやりとりを「千葉百音の言葉」として、お届けします。

フィギュア

<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第6戦中国杯>◇11月23、24日◇中国・重慶


順位選手名SPフリー合計
1アンバー・グレン70.84144.70215.54
2千葉百音70.86141.05211.91
3キム・チェヨン69.27139.20208.47
4住吉りをん70.48131.97202.45
5渡辺倫果69.08127.87196.95
6キミー・レポンド67.71128.20195.91
7マデリン・シーザス61.10119.67180.77
8アナスタシア・グバノワ52.11125.23177.34
9イ・ジュウ58.36107.68166.04
10シャンイー・アン60.10103.64163.74
11キム・ミンチェ62.9491.45154.39
12ホンイー・チェン45.8193.76139.57
女子フリーのスコアを待つ千葉百音(左)と浜田美栄コーチ(共同)

女子フリーのスコアを待つ千葉百音(左)と浜田美栄コーチ(共同)

自然な笑みを引き出してくれた会場の温かさ

フリーを終えて(23日)

―演技を振り返っていただいて、今、どのようなお気持ちですか

そうですね。エッジ(アテンション)は取られたけど、回転がしっかり回れたので、7本全部。そこがすごく大きな進歩だと思います。まあ演技中も自分でジャンプ1本1本跳んでいる時に、演技前ちょっと冷えかかっちゃったかなって思ったんですけど、しっかり1本1本集中して、足でしっかり踏み切れたっていうのが、回転不足をとられなかったっていうので、また1つ成果としてあげられると思います。やっぱりステップシークエンスのボディーを変えたので、ボディーっていうか振り付けをちょっと変えて、レベルは取れていたのでうれしかったんですけど、ちょっと張り切りすぎちゃってこけちゃいました。「ここボディー取らなきゃ」って思ったら、気づいたら尻もちをついていました(笑い)。

女子フリーのスコアを確認後、笑顔を見せる千葉百音(左)と浜田美栄コーチ(共同)

女子フリーのスコアを確認後、笑顔を見せる千葉百音(左)と浜田美栄コーチ(共同)

―勢いが良すぎたのでしょうか

その後に落ち着いてバックイン・ループをかいたので、そこがレベル4につながったんだと思います。

―冷静といえば、冷静ですか

ステップは本当にターンがこぼれると取れないんで。ちょっと…もうちょっと滑った方が良かったかな、と演技後に思っていたんですけど、レベル4を取れていたので、やっぱりちゃんと諦めずに、ターン踏むのが大事だなと思いました。

女子フリーの演技をする千葉百音(共同)

女子フリーの演技をする千葉百音(共同)

―演技全体を通しては、いつも「冷静さ」を自分で課題にあげていますが、今日の自己評価はいかがですか

今日は、そうですね。こっちに来てからジャンプの感覚が良くて、その初日のインタビューで「本番ですっぽかさないか心配」というような感じのことを言ったと思うんですけど、それがしっかり本番でもいいジャンプが跳べたので、本当にホッとしています(笑い)。そのまんまいけたので、こうならずにいけたんで。

女子フリーの演技を終えた千葉百音(共同)

女子フリーの演技を終えた千葉百音(共同)

―最終滑走でいつも以上にプレッシャーがかかる場面。その中で戦えたことは、どう受け止めていますか

正直、NHK杯の5番目の滑走よりも楽しんで滑れました、今日は。緊張はもちろんして、もうこんな感じだったんですけど、笑顔の引きつり方が、NHK杯より全然自然な笑みになっていたので、中国の雰囲気が自分も結構滑りやすいのかなって思います。中国の方の声援がすごくあったかくて、うれしいです。

女子フリーの演技を終え、悔しそうな表情を浮かべる千葉百音(共同)

女子フリーの演技を終え、悔しそうな表情を浮かべる千葉百音(共同)

―終わった時のリアクションは、どのような気持ちからきましたか

あそこのステップでこけていなければノーミスだったのに、という思いです。もうフリップ降りた時に「はあ!」ってなって、ノリノリで滑ってたら、こけちゃった。ファイナルでちゃんとステップ、ボディーも取って転ばないようにするために、もう1日、もうたくさん足がつるまで練習します。

女子で2位に入り、GPファイナルへ初進出を決めた千葉百音(左)(共同)

女子で2位に入り、GPファイナルへ初進出を決めた千葉百音(左)(共同)

―ファイナル初進出が決まりました

そうですね。まだステップでこけた悔しさが残っていて、ファイナル進出のうれしさがまだ実感できてないんですけど、この中国大会、列強ぞろいの中でちゃんと戦い抜けたっていうのは、この後にちゃんと自信をもって臨んでいける、そういう大きな自信につながったと思うので。2週間後のどこだっけ…、グルノーブル。フランスの大会、去年の悔しい思い出で止まってるんで、とにかくいい印象でフランスを塗り替えられるように、あと2週間体調とかも気を付けて、体力ももっとつけて、アンバー選手みたいに心臓の筋力、ハートの強さの、心臓の筋力も鍛えて(笑い)。グレノーブルに向かいたいです。

記者会見する千葉百音(共同)

記者会見する千葉百音(共同)

―2月の4大陸選手権と千葉選手の印象がすごく変わり、生き生きとしているというか、強くなった感じがします

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。