【渡辺倫果の言葉】フリー後は親子げんか…それでも諦める選択肢はない/現地限定

グランプリ(GP)シリーズ最終第6戦中国杯を5位で終えた渡辺倫果(22=三和建装/法政大)が、現在の心境を余すことなく語りました。

涙のフリーから一夜明けた11月24日、前夜の母との親子げんかの内容を報告し、優勝したアンバー・グレン(米国)に対する素直な思いなどを言葉にしました。

11月23日のフリー後と合わせ、現地取材メディア限定のやりとりを「渡辺倫果の言葉」として、お届けします。

フィギュア

<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第6戦中国杯>◇11月23、24日◇中国・重慶


順位選手名SPフリー合計
1アンバー・グレン70.84144.70215.54
2千葉百音70.86141.05211.91
3キム・チェヨン69.27139.20208.47
4住吉りをん70.48131.97202.45
5渡辺倫果69.08127.87196.95
6キミー・レポンド67.71128.20195.91
7マデリン・シーザス61.10119.67180.77
8アナスタシア・グバノワ52.11125.23177.34
9イ・ジュウ58.36107.68166.04
10シャンイー・アン60.10103.64163.74
11キム・ミンチェ62.9491.45154.39
12ホンイー・チェン45.8193.76139.57
女子フリーの演技をする渡辺倫果(共同)

女子フリーの演技をする渡辺倫果(共同)

全日本まで詰めていく課題

女子フリーを終えて(23日)

―演技を振り返っていかがですか

すごく悔しさが残る大会だったと思うんですけど、ただ、アクセルを決められたことは今後につながるんじゃないかなと思います。すみません(涙を流す)。

―今はどういう心境ですか

正直「ここで決めたかったな」というのはあるんですけど。ただ、アクセルが跳べたことは、全日本(選手権)にもつながると思います。全日本ではショート、フリーで1本ずつ入れることを目標にして、やっていければいいかなと思います。

女子フリーの演技をする渡辺倫果(共同)

女子フリーの演技をする渡辺倫果(共同)

―「ここで決めたかった」とは、どのような意味ですか

全部ですね。ノーミスしたかったという思いです。

―トリプルアクセルを降りた後は、どのような思いで滑っていましたか

アクセルを決めても、落ち着いて最後までやり抜くイメージを持っていたんですけど。ただ、体力が途中で尽きてしまって。アクセルを失敗した中で、他のジャンプを崩さない練習はしてきたんですけど、アクセルを含めてノーミスにすることは、練習の時点でできていませんでした。全日本までの1カ月間はそこを詰めていければと思います。

女子フリーの演技をする渡辺倫果(共同)

女子フリーの演技をする渡辺倫果(共同)

―トリプルアクセルを試合で着氷させたことで自信を深めた面はありましたか

夏ごろに何回か降りたことはあったんですけど、しっかりと戻ってきたのが先週の土曜日くらいで。1週間のうちで本当に着氷しているのは5回くらいになってしまっていて。ただ、6分間練習で転んだりしてしまっても、本番はしっかり決める強さは持ち合わせているのかなとは思うので、そこは誇るべきだと思います。でも、アクセルが決まっても他を崩さない、どんな状況においても崩さないという面では、まだまだかなと思います。そこを全日本までに詰めていきたいです。

女子フリーの演技を終えた渡辺倫果(共同)

女子フリーの演技を終えた渡辺倫果(共同)

―全日本選手権へ向けて、特に強化したい点は何ですか

まずはステップで取りこぼしが多かったので(強化したい)。ただ、スピンの取りこぼしが(スケート)アメリカでは目立った中で、そこはしっかりレベルが取れていて、練習してきたことがちゃんと成果として表れている面も、たくさんありました。次はステップのレベルを取りこぼさないこと、そしてアクセルを入れてもノーミスの演技をして、しっかり最後まで滑り切ることができるように、この1カ月はやっていこうかなと思います。

女子フリーの演技を終え、頭に手をやる渡辺倫果(共同)

女子フリーの演技を終え、頭に手をやる渡辺倫果(共同)

体の変化による再習得の難しさ

一夜明け取材(24日)

(着席するなり)昨日お騒がせしました! 気を使っていただいて(笑い)。もうバンバンいきましょう。もう、もう包み隠さず、じゃんじゃんいきましょう(笑顔)。

―一夜明けましたが、昨日の失意をへて、今はどのようなお気持ちですか

もちろん悔しい気持ちはたくさんありますけれども、ただ、その中で自分ができたことも大きかったんじゃないかなと思っています。今大会でしっかりアクセルを決められたことだったり、たくさんの収穫があったので、そこですごく良かったかなと今は思います。

フリーの演技冒頭でポーズを決める渡辺(撮影・阿部健吾)

フリーの演技冒頭でポーズを決める渡辺(撮影・阿部健吾)

―前向きに捉える部分もできましたか

まあ、クヨクヨしてもしゃあないんで。早く前を向いて、全日本に向けてしっかりやれればいいかなと。

―どうやって切り替えましたか

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。