【箱根駅伝story〈8〉城西大】山本唯翔、キムタイ好走 「箱根3位」布陣が着々

今秋11月5日の全日本大学駅伝(愛知・名古屋市~三重・伊勢市)出場を懸けた関東学連の予選会が17日、神奈川・相模原ギオンスタジアムで行われました。

昨年は8位で予選落ちを喫した城西大は、首位通過で3年ぶりの本選切符をつかみました。昨年から大学初の留学生ヴィクター・キムタイ(2年)を迎え、新時代に入ったチームは、今年は9位でシード校として臨む箱根駅伝でも3位以内という目標を掲げます。櫛部静二監督(51)、箱根の5区で区間新記録の「山の妖精」山本唯翔(4年)らの言葉から、前期の集大成と位置付けたレースを振り返ります。(敬称略)

陸上

〈6月17日全日本大学駅伝予選会@相模原ギオンスタジアム〉

トップ通過で3年ぶり伊勢路

全日本大学駅伝・関東学連予選会上位成績


順位大学名総合タイム
1位城西大3時間57分35秒40
2位大東文化大3時間57分50秒77
3位東海大3時間57分58秒89
4位東京国際大3時間59分02秒86
5位東京農業大3時間59分20秒68
6位帝京大3時間59分34秒06
7位国士舘大3時間59分45秒19
上位7チームが本戦への出場権  
8位立教大3時間59分59秒49
9位神奈川大4時間00分07秒27
10位明治大4時間00分20秒02
選考会終了後、選手へ声をかける城西大・櫛部監督

選考会終了後、選手へ声をかける城西大・櫛部監督

予選会の朝、櫛部監督が練習に見た光

レース当日の朝の出来事だった。

早朝、埼玉県坂戸市の大学グラウンドの光景に、櫛部の胸が高まった。

6時15分からの高負荷のポイント練習。予選会の8人には選ばれなかった選手たちが駆けていく。

「誰1人遅れることなく終われました。そういう気持ちの部分が(出場)メンバーにも伝わってるのかなと。寮生活をしてるので、同部屋の人など、そういった話になろうかと思うので」

選ばれずに失意に立ち止まるのではなく、その日の練習から悔しさを糧にする姿。何より、その練習風景から「楽しさ」を感じた。

それがこの前期、チームとして創部以来の最大の躍進を掲げるチームの、順調な現在地を示しているようだった。

選考会1組、城西大は林(ゼッケン7)が1位、桜井(同27)は11位でゴール

選考会1組、城西大は林(ゼッケン7)が1位、桜井(同27)は11位でゴール

箱根走った10人全員残り経験十分

迎えた午後5時30分からの1組目。林晃耀(3年)が30分3秒40でトップでゴールに飛び込んで、勢いを付けた。

続く、2組目では山中秀真(4年)、平林樹(3年)が最後まで食らい付いての3、4位フィニッシュ。2組目まで終えて「城西強し」を印象付けた。

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。