【バスケ男子の言葉】ホーバスHC「僕の角度からではファウルしてなかったと思う」

世界ランク26位の日本代表が、同9位のフランス代表から金星目前で敗れた。第4クオーター(Q)のラストプレーで84-84と追いつかれ、延長戦で力尽きた。1972年ミュンヘン五輪以来、52年ぶりの五輪勝利(76年モントリオール大会は不戦勝による1勝)はお預けとなった。

現地で取材したヘッドコーチ(HC)、選手たちの【言葉】を紹介します。

日刊スポーツ・プレミアムでは、バスケットボール男子日本代表のパリ五輪での全試合を追います。

バスケットボール

<パリオリンピック(五輪):バスケットボール・日本90-94フランス>◇30日(日本時間31日)◇男子1次リーグB組◇ピエール・モロワ競技場

第3クオーター、ホーキンソン(手前右端)が3点シュートを決め喜ぶ日本(共同)

第3クオーター、ホーキンソン(手前右端)が3点シュートを決め喜ぶ日本(共同)

トム・ホーバス・ヘッドコーチ

―(報道陣の)僕らもすごく複雑な感想ですが

ホーバスHC うん。悔しいですね。このゲームいろいろあったじゃないですか。(八村)塁の退場が痛かった。それがあっても、うちの選手が頑張った。このアウェーゲームで、2万7000人の中でうちのバスケット見せましたかなと思ってます。

フランスに敗れ引き揚げるホーバス監督(共同)

フランスに敗れ引き揚げるホーバス監督(共同)

―準備とかゲームプランも狙い通りですよね

ホーバスHC いや、ほんとにピタリだった。

―できれば点が入らなかった第4クオーターのところで(取りたかった)

ホーバスHC みんな疲れた。タイムアウト使ったんですよ。塁もいなかった。全部のタイムアウトは使ったんですけど、大変だった。難しかった。相手も疲れていたから。でも、こういうゲームでホームチームが結構緊張するじゃないですか。カオスなゲームがしたかった。

―ドイツ戦の時には「あともうちょっといったら相手を焦らすことができた」と言っていた

ホーバスHC このゲームも絶対勝ちチャンスがあった。勝てると思ったんですけど。でも、うちの目標はまだ終わってないですし、ブラジル戦勝ったらトップ10は全然分からない。難しいかもしれないけど、頑張ります。

―河村選手は最後1対1になりましたけど、スリー(ポイント)も決めて。かなり素晴らしいプレーをした

ホーバスHC 素晴らしいよ。彼の力があれだけ使いたいです。

第4クオーターの終了間際、フランスに3点シュートを決められる。右は河村(共同)

第4クオーターの終了間際、フランスに3点シュートを決められる。右は河村(共同)

―最後の残り10秒の4点差場面で、当然ファウルするなという指示は聞いてますし、そうなってしまったのは

ホーバスHC あのプレーは相手のオプションが止めて、止めて、少しおかしかったじゃないですか。ちょっと長いポゼッション。(河村)勇輝がいいコースだったんだけど、少し近い、近かったんじゃないか、まだビデオを見てないけど。大変だったよ。

―いいプレーだったけど、紙一重というか、ギリギリのプレーだったのか

ホーバスHC 僕の角度からではファウルしてなかったと思うんですけど。

―八村選手の退場については

ホーバスHC あれはくるボールにスワイプしてたから、あれはアンスポーツではないと思ってたんですけど。ビデオで肘がつかんでて、それもちょっとショックだった。その後はうちのバスケットをみんな信じていたから、全然大丈夫と思っていた。(渡辺)飛勇すごいいい仕事してくれた。(ブロックした)写真を見たいです。

第4クオーター、シュートを阻む渡辺飛(共同)

第4クオーター、シュートを阻む渡辺飛(共同)

第4クオーター、ディフェンスする渡辺飛(下)

第4クオーター、ディフェンスする渡辺飛(下)

―八村選手は次出られるのどうか、分かっているのか

ホーバスHC 大丈夫と思う。チェックします。

富樫勇樹

―これだけの試合ができた

富樫 もちろん、全体を通してみればそうですけど、やっぱり勝てた試合だと思うので。その1勝までの最後の部分を考えると、すごく悔しいですね。

―最後の部分で何が足りないのか

富樫 何が足りないとかではないですし、もちろんノーファウルというはチームとして確認していたのであれですけど。でもあのワンプレーというよりは、その前のところでいろんなミスがありながらのあれなんで、ほんとにこのアウェーの中、フランス相手にこれだけのゲームができるのはポジティブな要素しかないですけど、やっぱり勝ちたかったという思いがあるかな。ドイツ戦の後も含め、フランス戦は自信持って臨めていたと思うので、実際それがプレーに出ていたと思うし、そういう意味で今まで以上に悔しいです。

第2クオーター、ディフェンスする富樫(右)(共同)

第2クオーター、ディフェンスする富樫(右)(共同)

―最後の残り16秒ぐらいのタイムアウトはノーファウルの確認だったと思うんですが、どんなような話しを

富樫 もちろん、最悪スリー(ポイント)打たれても1点勝っているので、とりあえずノーファウルで。2点レイアップ、ダンクでも2点差なのでファウルもらってというのは確認していたので。

―八村選手が退場になった後にもいい流れを続けて、最後の最後までいいプレー続けた

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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。