日本がカナダから4点を奪い、大勝した。元日本代表FWで日刊スポーツ評論家の永島昭浩氏(59)は、相手に勝利の計算もさせない、完勝だったという。その勝因は、相手がボールを保持した時から始まる日本の守備を挙げた。

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日本はカナダに何もさせなかった。相手はファーストタッチやトラップの際、立ったままスピードを緩める傾向があった。そこを見逃さなかった。浅野が相手からボールを奪い、中村の得点につなげた3点目はその象徴だろう。カナダにPKの失敗があったとはいえ、ほぼ勝機を奪い取った上での完勝だった。

確立された守備は昨年のW杯で自信をつけ、今がある。前線のFWが守備のスイッチを入れ、ボールを奪いに行き、全体を押し上げ、ゴール前に攻め込む。

ペナルティーエリア付近では、中村のように高確率でシュートまで持っていくし、2、3列目から田中がゴール前に顔を出せるのも、守備から始まった攻撃がきっちり、完結するという確信があるからだ。

三笘や堂安ら常連組が不在だったが、誰が入っても守備の時点からポジティブな思考なのだろう。この一連の動きが、攻撃への厚みとなり、5試合で22得点という数字に表れている。

日本は前からの守備がうまく機能せず、ビルドアップも停滞した時、どう対応できるか。さらに強くなるため、対戦相手によって日本の武器を消された時の想定をしておきたい。(日刊スポーツ評論家)