選手不安にさせるコーチの動揺
男子500メートルは残念な結果になってしまいました。金メダル候補の加藤選手と長島選手は、なぜメダルすら逃してしまったのでしょうか。それはチーム力の差です。オランダは所属ごとに分かれてはいますが、1つの目標に向けて結束して戦略を練っています。
日本はどうでしょう。言葉ではチームジャパンと言っていますが、それはうわべだけになっていると感じます。例えば、男子500メートルでも加藤、長島選手以外の及川選手、上條選手をチーム全体で引き上げようとしたでしょうか。金メダル候補以外はほっとかれているようなイメージを受けました。
自分も現役時代は、スケートは個人競技だし、チーム力は必要ないと思っていた時期もあります。ただ、それは長野五輪当時のように、メダル候補が多数いたから成り立った考えでしょう。高いレベルでの切磋琢磨(せっさたくま)があれば、個々に任せても伸びていきます。加藤、長島選手頼みの今の日本にはあてはまりません。各所属の情報を共有化し、チーム全体で強化策を練る必要があるでしょう。
あと気になったことがあります。選手以上にコーチがピリピリしているように見えたことです。コーチの動揺を見たら、選手は不安になります。コーチは緊張していても、それを心に隠して、どっしり構えていてほしいと思います。まだ競技は始まったばかり。選手が最大限のパフォーマンスを出せる環境を整えてほしいです。(長野五輪女子500メートル銅メダリスト)
日刊スポーツ新聞社
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