真央こそママ五輪「集大成」なんて反対
真央ちゃん、やめないで! 98年長野五輪スピードスケート女子500メートル銅メダリストの岡崎朋美さん(42=富士急)が、フィギュアスケート女子の浅田真央(23=中京大)に現役続行を勧めた。今季まで現役を続けた経験を踏まえ、早期の引退で可能性をつぶしている女性の競技者が少なくないと指摘。集大成の舞台に立った浅田が「常識」を打ち破ってほしいと願った。
真央ちゃん、やめないで。フィギュアの浅田選手にとってソチが最後の五輪になる可能性があると聞きました。反対です。23歳。いくらなんでも引退は早すぎます。こちらに来て、高橋大輔選手と話す機会がありました。「女子の場合は体が完成すると、ジャンプなど演技が逆に難しくなる」と加齢による苦しみを教えてくれました。浅田選手には、そんな常識を打ち破ってほしい。
4年に1回の五輪。燃え尽き症候群になる選手も少なくないですが、わたしは違いました。94年リレハンメル五輪後は「次はメダル」と思い、98年長野五輪ではメダルを取れましたが、バネ付きのスケート靴(スラップ)が出たばかりで「もっとタイムが出せる」と迷いはありませんでした。
02年ソルトレークシティー五輪は、その2年前にヘルニアになって本調子ではなかったので「万全ならもっとできる」と意欲がわき、06年トリノ五輪はメダルまで100分の5秒差の4位で「やめられない」と強く思いました。10年バンクーバー五輪後は引退も一瞬よぎったのですが「ママでの挑戦」を新たな目標にできました。
すぐに気持ちを切り替えられなければ、2年刻みで考えてみてはどうでしょう。わたしの場合は、五輪後の1年はスローペースにして、徐々にペースを上げていくパターンを確立。2年頑張れれば、もう次の五輪は見えてきますし、集中モードに入れます。
特に女子の場合、早期引退で可能性を消している選手が少なくないと感じています。30歳、競技によっては25歳を超えれば、引退の「常識」がはびこる。恋愛、結婚、出産と女の幸せを考えると、自ら線引きしてしまう選手もいる。特に日本の場合、現役時代は恋愛禁止のケースが多いからです。
わたしはメリハリさえつければ、現役時代でも恋愛は自由だと思います。ただ、理解ある恋人や、家事などに協力してもらえる夫を持つことが大事です。浅田選手も、次の4年は「いい男性」を見つけて、競技を続けて欲しい。結婚して子供を産んでも、迷いなく現役を続けられる。そんな時代が早く到来してほしいです。(98年長野五輪スピードスケート女子500メートル銅メダリスト)
日刊スポーツ新聞社
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