小平奈緒「新しい挑戦」の勇気を
<ソチ五輪:スピードスケート>◇11日◇女子500メートル
レース後、会場の前で奈緒ちゃんに会いました。メダルは取れなかったですが、いい表情だった。上位の世界レベルが高い中、今の力を出し切っての5位。悔しさの中にも、充実感が漂っていました。
自分の98年長野大会のメダルを見て五輪を意識したそうです。20代のとき、小学生だった奈緒ちゃんが、何度も大会でわたしのサインをもらいに来たことを覚えています。小さかった子が、わたしの背中を追って超えていった。こんなにうれしいことはない。昨年12月の五輪代表選考会で代表落ちが確実になった後、奈緒ちゃんの顔を見たら、ずっと我慢できていた涙があふれた。それほど思い入れのある選手なんです。
まだ1000メートルがありますが、五輪後も現役を続けると聞いています。4年後は31歳。わたしは34歳の06年トリノ大会で銅メダルに100分の5秒差で4位、37歳で自己ベストを更新した。30代前半なんてまだぺーぺー。真面目で頑張り屋さんの奈緒ちゃんなら、しっかりとケアすれば、4年後はもちろん、8年後の五輪も行けるはずです。
結城コーチの指導を受けて9年。わたしも経験があります。どうしてもマンツーマンだとマンネリに陥るときがある。そんなときは自分で工夫した練習を取り入れたり、新しいことに挑戦する勇気を持ってください。ずっと応援しています。(長野五輪女子500メートル銅メダリスト)
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