24年シーズンもいよいよ終盤、ヒリヒリする展開に突入したドジャース大谷翔平。彼の今まで見たことも無いシーンや表情、舞台裏を、8月後半に再渡米したカンビンことニッカンスポーツ・カメラマン菅敏(すが・さとし)が選りすぐりの写真とともに語ります。
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ポストシーズンが始まると、ファンの興奮は最高潮に達し、時には試合進行を妨げることもあります。
10月5日のドジャース対パドレス戦の中盤、レフトスタンド付近が騒然となりました。レンズを向けると、フィールドに乱入するファンの姿がファインダーに映りました。彼は数歩走ったところでセキュリティに捕まりましたが、間を置かず、もう一人のファンがフィールドに乱入。別のセキュリティがすぐさま強烈なタックルを決めて取り押さえました。さらにスタンドでは、別のファンが中指を立ててセキュリティを挑発し退場を命じられ、そのファンはビールを投げつける始末。この3人はどうやら家族だったようです。なんとも迷惑な騒動でしたが、セキュリティの活躍で試合は大きな影響なく進行しました。
この日の試合では、地区シリーズ第1戦の2回に、大谷さんが自身初のポストシーズンで3点本塁打を放ち、ドジャースは7対5で勝利。試合後、タックルを決めたセキュリティの方が「ドジャースが勝って最高だよ」とグータッチを求めてきました。彼の額にはタックルでできた傷跡が痛々しく残っていましたが、名誉の負傷だと笑っていました。
普段は温厚で親しみやすいセキュリティチームの皆さんですが、いざという時には頼もしい姿を見せてくれます。彼らが選手たちや試合をしっかりと支えているのです。
ちなみに、何人かのセキュリティスタッフが今オフに日本旅行を予定しているそうです。彼らもとても楽しみにしているとのことでした。【カメラマン・菅敏】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「カンビンのWEEKLY SHO!Time!!」)