【宮本慎也】巨人Vへの極論…能力同じなら阿部監督と相性いい選手の重用を/〈28〉

ゴールデングラブ賞10度の元ヤクルト宮本慎也氏(53=日刊スポーツ評論家)が、ベテラン小島信行記者との掛け合いで展開する連載「宮本慎也 もっと野球を語ろう」。今回は歴史的な混戦となったセ・リーグの前半戦を振り返ります。前編は巨人の戦いぶりです。坂本勇人内野手(35)や岡本和真内野手(28)の起用法にも切り込んでいきます。

プロ野球

■今回の主なトークテーマ

〈1〉息子が東海大菅生の主戦(!)高校野球モードの宮本さんに、セの前半振り返りを

〈2〉巨人の今後が最初の焦点。捕手を中心に、各ポジションの起用法を根掘り葉掘り

〈3〉阿部監督が選手を起用する根拠について、深い心理まで探りながら持論を展開

◆宮本慎也(みやもと・しんや)1970年(昭45)11月5日、大阪府吹田市生まれ。PL学園では2年夏に甲子園優勝。同大―プリンスホテルを経て、94年ドラフト2位でヤクルト入団。ベストナイン1度、ゴールデングラブ賞10度。通算2162試合、2133安打、62本塁打、578打点、打率2割8分2厘。引退後は18、19年にヤクルト1軍ヘッドコーチ。04年アテネ五輪、06年WBC、08年北京五輪代表。現役時代は176センチ、82キロ。右投げ右打ち。


◆小島信行(おじま・のぶゆき)プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。

■「8月からが本当の勝負だと思っていたけど、9月までズレそう」

小島高校野球の地方大会が始まっています。宮本さんも東海大菅生では臨時コーチもやっているし、息子さんの応援で大変そうですね。〝ドキドキの夏〟なんじゃないですか?

宮本そうなんだよ(苦笑い)。やっぱり「一発勝負」はしびれるね。なんとか甲子園にいかせたいと思っているんだけど、相手チームだって同じ。見ている側は楽しいんだろうけど、当事者は大変だよ。

(※東海大菅生は5回戦で惜しくも敗退。取材はその前に行いました)

小島そんな中で申し訳ないのですが、今日はプロ野球の前半戦の話をお伺いします。高校野球の話は、次回で「高校球児の親の気持ち」や「高校野球の現状」なんかを交えてお願いしたいと思っています。

宮本そうだね、何を話すか考えておくよ。それじゃプロ野球の話をしよう!

小島まず、大混戦のセ・リーグの話からお伺いします。抜け出しそうだったり、優勝に向けて目についたチームはいますか?

宮本こんな大混戦は珍しいよね。今の状況で優勝予想をするのは難しいなぁ。

交流戦後、広島が抜け出しそうかなぁって思ったら中日に3連敗。今年はどのチームも「ここで勝てば勢いがつきそう」という試合で、ことごとく負ける。

その一方で「ここで負けるときつくなるぞ」と思ったチームが、土壇場で踏ん張る。開幕からずっとそんな感じ。8月からが本当の勝負だと思っていたけど、9月までズレそう。それまでにチーム力を整え、まとまって戦えるチームが優勝するんじゃないかな。

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プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。
投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。