【還暦野球・川名和彦の場合】前立腺がんが見つかり取り戻せた「唯一の青春」/連載3

野球人口と未来を考えるとき、まずはピラミッドの土台をなす少年野球が思い浮かびます。同じように、シニア層にも「還暦野球」という広大な裾野が広がっていることをご存じですか。神奈川・藤沢を拠点に活動する「湘南ドリームズ」の群像をルポすると、セカンドキャリアの友に収まらない野球の奥深さが透けてきます。市井から学ぶ6回連載の第3話。

その他野球

◆湘南ドリームズ1998年(平10)設立。神奈川県還暦軟式野球連盟に所属。「ドリームズ」は、同年に「かながわ・ゆめ国体」の愛称で行われた神奈川国体にちなんだ。07年全国大会8強。還暦、古希、グランド古希の各カテゴリーに37選手が所属している。石橋正行代表。練習見学、体験は大歓迎。詳細はHP(https://shonandreams.1web.jp/)まで。

■相手先発の安西健二は、横浜高から1980年のドラフト外で巨人に進んだ。

京急の快特で横須賀中央から2つ、新大津で降りた。

高台のホームから、すぐ下に大津グラウンドを臨めた。駅から歩いて5分。映画「となりのトトロ」の世界を地で行く深い緑の中でボールを追える。日本が野球の国であることを実感する。

4月20日、還暦野球「湘南ドリームズ」は横浜港南Sクラブとリーグ戦を行った。

社会人野球出身がずらり、今季ここまで負けなしの強豪。

相手先発の安西健二は、横浜高から1980年のドラフト外で巨人に進んだ。

「昔、対戦したことがある。雰囲気が変わってないな」

「ヨココウの甲子園優勝メンバーで、神奈川じゃ有名人。センス抜群、いい選手だった」

投球練習の姿に、あちこちから声が上がった。還暦野球とは、単なる趣味の世界ではない。しびれる攻防が至る所にある。

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1999年入社。整理部―2004年の秋から野球部。担当歴は横浜(現DeNA)―巨人―楽天―巨人。
遊軍、デスクを経て、現在はデジタル戦略室勤務。
好きな取材対象は投手、職人、年の離れた人生の先輩。好きな題材は野球を通した人間関係、カテゴリーはコラム。
趣味は朝サウナ、子どもと遊ぶこと、PUNPEEを聴くこと。